エイベックスが民放と組んで動画配信をスタートさせる！？

　エイベックス・エンタテインメントが社運をかけて放送ビジネスに参入するという。来年３月にワンセグを使った携帯電話向け動画配信放送「ａｖｅｘ　ｂｅｅ　ＴＶ」を開局する。既にエイベックスはこれに５０億円以上の資金を投入。パートナーとして選んだのがＮＴＴドコモだ。

「エイベックスは来年２月にドコモと新会社『エイベックス通信放送』を設立する予定です。新会社にはエイベックスが７０％、ドコモが３０％出資する」（事情通）

　なぜ、エイベックスがドコモと組むのか。ドコモはグーグルと提携して数年以内にグーグルホンを世に送り出すといわれていて、ドコモはその機会に乗じてソフトバンクに奪われた顧客を奪い返す戦略のようだ。

　そうなると、問題になるのが動画配信されるコンテンツ。流すのはエイベックス所属アーティストのプロモーションビデオだけではなく、地上波のＧＰ帯で放映されているソフトに匹敵する番組を供給する。基本は無料だが、ＣＭや一部ソフトを有料化して利益を出していくようだ。

　その「ｂｅｅ　ＴＶ」を全面的にバックアップするのがフジテレビで、編成側は人気番組を「ｂｅｅ　ＴＶ」で視聴するサービスも考えている。さらに、最近になって「エイベックスは他局にも声を掛ける全方位外交を展開し、全局の番組が『ｂｅｅ』で見られるのを狙っている」（関係者）。

　もっとも、ソフトバンクも水面下で動いているというから、コンテンツ争奪戦である。２０１１年を睨んだバトルが激化している。

（日刊ゲンダイ2008年11月5日掲載）