国籍法第三条
Posted by 河野 太郎 on 2008/10/13 月曜日
今年六月五日、最高裁判所大法廷で、国籍法第三条一項が違憲とされた。
国籍法第三条一項は、日本人の父と外国人の母の間に生まれた子供が、出生後に父から認知されても父母が結婚していなければ日本国籍を認めない。(日本人の母と外国人の父の場合には、出生時に母子の関係が確認できるので、この問題は起きない)
これが今日では憲法違反とされた。(法律の制定当初は違憲ではなかったが、現在では違憲であるという判決だ。)
違憲判決の翌日から十月九日までに93件の国籍取得届が出され、法務省はこれを全て留保している。大至急、国籍法を改正し、きちんとこうした届け出を受理できるようにしなければならない。
自民党の国籍問題PTで、国籍法第三条一項の改正案の骨子について、法務省から説明を求め、骨子を了承する。
PTで骨子を承認したので、法案はPTをとばして法務部会で審査の上、政審、総務会に持ち込んでもらうことにする。野党も反対ではないはずだから、国対にもお願いして、この臨時国会で改正できる手はずを整えたい。
さらにPTで、自己都合で外国籍を取得し、本来日本国籍を持たないはずの者が、喪失届けを出さない限り、投票やパスポートの取得などができてしまうという現在の国籍法の運用の実態について法務省から説明。
父母の国際結婚により二重国籍を持つ子どもたちが本来二十二歳までに国籍の選択をしなければならないのに、現実には行われてこなかったと同様に、日本国籍を持つものが自己都合で外国籍を取得したときに、法律と運用に差があることが明確になった。
二重国籍そのものをどう考えるのかという問題に取り組んでいくことになった。ただし、子どもの国籍選択の廃止については、座長案を速やかに示して、議論を先行させたい。
国籍選択制度の廃止については、是非とも議論を先行させてお願いしたいところです。私の息子達も出生による重国籍でおります。(日本とスイス)
また二重国籍についても、在欧日本人の一人として熱望しております。スイスにおいては全ての日本人親睦団体より賛同を頂いております。残念ながら、この請願を自民党の議員の皆さんにはお受け頂けておりません。
お願いがあります。総選挙を控えて大変な時期でいらっしゃるとは思いますが、自民党の中でも猪口邦子衆院議員の様に、容認に肯定的な方もいらっしゃると思いますので、その様な方々と、他党において容認に肯定的な方、例えば公明党の浜四津参議院議員などを交え、重国籍に関する超党派議員連盟を設立して頂けないでしょうか。
たとえ、それが容認にまで踏み込まなくても、党を超えた議員レベルで問題点を洗い出して行くといったプロセスが、今大切なのではないかと思っております。
コメント by のり@ベルン(スイス) — 2008/10/14 火曜日 @ 3:46:35
現在、多国籍が認められかもしれないと友人から連絡がありました、ニュースを全て読みました。アメリカにも悩んでいる人は私の回りだけでも20-30人知っております。これを機に、世界に羽ばたく日本人を応援する為にも法律が変わる事を願っております。一市民より
コメント by ハワイからのお願い — 2008/10/14 火曜日 @ 10:26:40
「自己都合で外国籍を取得し」という表現に少々引っかかります。「自己都合」といってもいろいろあるのではないでしょうか?私も南部氏のように、物理学の研究のため渡米し、米国の研究機関で働いています。渡米して10年になりますが、米国人と結婚し、子供も生まれました。外国人には財産権なども含め様々な制限があるので、家庭を守るためにも米国籍を取得することを考えますが、日本籍を失うことを考えると踏み切れません。将来日本に帰ることも選択肢として考えています。また子供には、米国人であるとともに日本人としても育てるようつとめていますが、そこで親の私が日本籍を失ってしまうと、子供の日本への関心、愛情が減ってしまうのではと危惧します。「自己都合」と言ってしまえばそれまでですが、「就業の自由」および「居住の自由」は日本国憲法で保証された権利です。日本国外に就業し居住するのもその権利として認められていると考えます。その結果としてその国の国籍を取得する必要が出ることもあるのではないでしょうか?
コメント by 在米日本人 — 2008/10/14 火曜日 @ 15:21:49
成立時にすでに形骸化した22歳における国籍選択制度の即時廃止はもちろんのこと、河野議員のおっしゃったとおり、外国籍取得時に正直に国籍喪失届けを出した日本人の方々を国籍選択届けみたいに一通の書類申請のみで日本国籍の再取得を望みます。これをしないとまた正直者を罰する事になるかと考えます。日本が普通の国になるのがどうしてこんなに難しいのでしょうか。でもPTのやっている事はまた役人主導ではありませんか!法務省がこの違憲国籍法を作ったのにまた同じ役人達に同じ間違いをやらせようとしているみたいに見えます。すべての国会議員に重国籍問題についてメールを送ったことがありますが賛成反対は別として返事を返してくれたのはすべて民主党の議員の方々だけでした。
コメント by Kinderbook — 2008/10/14 火曜日 @ 18:42:14
二重国籍には反対します。
国家の基盤は国民です。あっちの国にも
こっちの国にも帰属して政治に口を出します
では困るのです。
安易な感情論で二重国籍などは容認できません。
コメント by 田中 — 2008/10/14 火曜日 @ 19:18:18
国籍法の改正は正しいと思っています。
日本人の国際結婚はそろそろ5万組を超えますし
近い将来には年間10万組を超えるでしょう。
(経団連が移民賛成派になったようですから
年間の国際結婚が10万組を超える日は
案外早く来そうですよ)
その意味でも、あの条文はどう考えても今の
時代に適した条文ではありませんでした。
今回の改正をチャンスとして将来の日本に
相応しい国籍法を創設すべきだと思います。
コメント by 現実論 — 2008/10/14 火曜日 @ 22:06:22
特別永住者の国籍取得法案も早く進めて欲しい。
帰化するにも親兄弟の反対で書類がそろわず申請さえ出来ません。
自分の意思とは関係なく外国人にされていることがたまらなくつらいです。
コメント by マルコメX — 2008/10/15 水曜日 @ 6:30:11
兎に角、一歩前進です!最高裁が判断を下した以上、このまま放置することは立法府・行政府の怠慢になってしまいますから。
色々とご意見もあることでしょうが、法律や国家の都合によって、子供達に生まれながらにして差別を与え、バンデを背負わせることは、やはり文化的な国家としては、極力避けるべきだと私は思います。
実際に改正法を施行してみて、もし何らかの問題や不具合があるのならば、運用面に於いて改善策は必ずみつけられると思います。
コメント by Nakamura — 2008/10/19 日曜日 @ 1:08:34
コラッッッ!売国奴め!
20万円で国籍を売るな!
どあほう!
コメント by ゲスト — 2008/10/19 日曜日 @ 8:52:24
DNA鑑定なしに日本人男性の認知さえあれば国籍取得できるようにすると言う話ですが…その辺の日本人から金で国籍を買う外国人が多発する予感。人身売買などのの原因にならなければいいですね…
コメント by んn — 2008/10/21 火曜日 @ 17:39:51
お父様に肝臓を提供した河野太郎議員が、血統主義の日本の国籍プロジェクトチームの座長さんであることは、非常に意義のあるだと思います。
日本は血統主義で国民の義務や権利が与えられ、親子には相互に扶養義務があります。社会主義ではないので、親子で扶養義務を負えない場合しか、社会保障は適用されません。いざという時は、親子で助け合うしかなく、親子なら、最後の最後まで助け合います。日本という国は、そういう国なのだと思います。
外国の代理母に頼ってでも、養子を迎えるよりも、血の繋がった子供に後を継がしたい、介護も子供に頼りたい、というのが、多くの一般日本人の本音なのだと思います。
改正案の骨子が「最高裁判決を踏まえて、03年1月1日以降に認知を受けた子を救済する」という素案と同じならば、同じ日本人の子に03年1月1日を境に明暗ができること、また、相手国が重国籍を認める場合と、重国籍を認めない父系制である場合に、大きな差が生じてしまうことに、心が痛みます。本人には落ち度がないのに、日本国籍(重国籍)の有無で、大きな権利の差ができるのは、好ましくありません。
以前、頼まれて、第三条の改正を請願項目に入れましたが、結果的に不公平を助長すると思い、請願項目から外しました。
日本国民であろうが、外国国民であろうが、日本人の子はすべて日本人の子として、平等に入国滞在、住民権を認めることはできないでしょうか?公平に、極力、本人のアイデンティティーに相応しい身分証明書が発給されるべきだと思います。
国の発給する身分証明書がアイデンティティーに合わなければ、偏見を受け、当然の権利が尊重されなくなります。
参議院に、(日本人の子を始めとする)日系人用の入国滞在許可証を求める請願を提出しましたが、自民党も衆議院で検討くだされば幸いです。
重国籍容認になるのか、否認になるのか、私にはよくわかりませんが、旅券を制限すれば、戸籍は残しても(或いは留保とすれば)問題ないのではないでしょうか?
国籍選択制度は基本的に残してもよいのではないでしょうか?
むしろ、成人後も国民の権利を使っているのに、期限内に国籍選択をしない人に対し、規定どおり、法務大臣の催告を行うべきだと思います。
日本のような血統主義の国で、外国国民の意識を持ったまま国政選挙投票する人が増えるのは、好ましくありません。国籍選択しない人に選挙投票を認めるべきではないと思います。
選択制度が理解されず、制度に従う人が少ないのは、選択制度と他の制度との整合性がないからだと思います。国籍法や選択制度より、むしろ、選挙法や旅券、入国管理の問題なのではないでしょうか?よくわかりませんが、選択制度の条文を落とすだけでは他の問題は解決できないので、結果的に、相当、複雑な法改正が必要になりませんか?
選択制度の条文を落とすなら、複数旅券の使用を厳重に規制する必要がありませんか?たとえ未成年者であろうと、外国旅券を使う日本人に日本旅券を使わせるのはおかしいような気がします。
一般の日本人の子は日本旅券しか持っていませんから、海外では外国籍住民として暮らしています。そこに、その国の国籍を持ち、その国の旅券で入国してくる日本人の子は、一般日本人の子にとっては外国人であり、日本人ではありません。
日本や日本人社会では、外国国民でも日本人なのかもしれませんが、海外在住の日本人にとっては、また、国際社会では、外国国民になった日本人は日本人ではなく日系人です。
ウィグル人がウィグル国民を意味せず、中国国民のウィグル民族を意味するのは、中国が多民族国家で、ウィグルという国がないからです。そのため、米国に帰化したウィグル人が米国でウィグル人だと言っても、単に民族を意味するだけなので問題ありません。しかし、単民族の国家とみなされている日本の場合、海外でJapaneseだと言えば、民族ではなく日本国民を意味することになり、外交問題や国際摩擦になりかねません。
米国に帰化した日本人は、米国ではJapanese American(日系米国人)であり、米国市民権を持たないJapanese(日本人)とは明確に異なるはずです。
なぜ、海外の国籍留保者についても、親の旅券への併記制度が廃止されたのか、理解に苦しみますが、たとえ子供であろうと、海外で外国国民として暮らしている日本人の子は、日本人の子であっても、まだ日本人(日本国民)にはなっていないので、対外的な身分証明書である単独の旅券にJapaneseと書いて持たせるのは、どうも、問題があるような気がします。子供の重国籍を認める国は増え続けていますが、どの国も、子供に単独の旅券を発給しているのでしょうか?
認知を受けた子が、日本旅券を使うなら外国旅券の使用は禁止し、外国旅券を使うなら日本旅券の使用を禁止して日本人の子の入国滞在許可証で権利を認める、と規定して始めて、日本人の子を国民アイデンティティーに従って、それぞれ、公平に扱うことになるのではないでしょうか?
コメント by チッペルレゆり — 2008/10/22 水曜日 @ 8:58:14
荒っぽい言い方をすれば国籍法の賞味期限が
過ぎてしまったのだと思いますね。
制定時にはそれなりの価値があった法律も
社会状況が変わってしまえば腐った食べ物と
同じであり食中毒の原因にしかなりません。
今の国籍法の基本構想が作られた時代は日本人は
多産であり外国人と話す事も殆どあり得ない時代
でした。
逆に今では国際結婚はそろそろ年間5万組に
達する時代でありハーフの児童も珍しく
ありません。
どう考えても今の国籍法は賞味期限切れであり
今の社会に適した国籍法を制定すべきであると
確信致します。
コメント by 現実論 — 2008/10/26 日曜日 @ 20:59:51
> 違憲判決の翌日から十月九日までに93件の国籍取得届が出され、法務省はこれを全て留保している。大至急、国籍法を改正し、きちんとこうした届け出を受理できるようにしなければならない。
何故、受理しなければならない、となるのでしょうか?
仮にも国籍法のスペシャリストであるなら、旧国籍法では片親が外国人である場合、等しく子供は外国籍となったと思います。社会党による改悪により、違憲状態が発生したのは明らかです。
大きな社会問題が発生する今回の改正案より、旧国籍法は社会的な悪影響もほとんどありません。代理母出産の場合、等しく外国籍の子として国籍を登録し、成人してから帰化すればよいでしょう。
もし、仮に日本国籍を持つ親の外国籍の子供が不当な差別(正当な区別は別)されているのであれば、差別が問題であるのであって、国籍に問題があるのではありません。
国籍は国の根幹をなす原則であり、安易に国籍を認めるのではなく厳しくあるべきです。
違憲状態を解消するには、旧国籍法に戻すのが日本にとって最良の選択だと考えます。
コメント by aw — 2008/11/5 水曜日 @ 18:46:34
前のコメントはざっと書いたので文が抜けていたりしました。別の書き方で書きます。
旧国籍法に戻せば、憲法違反の問題、親の性別の違いによる整合性の問題、国籍が不正に取得される問題、子供が国籍を取得し外国籍の親が来日する問題、2重国籍の問題、など多くの国籍関連の問題が解消します。
旧国籍法は血統主義である日本の方針とも合致します。
現在の国籍法でさえグローバルな時代にそぐわない、などと言っている方たちは2世代くらい時代遅れの考えになっています。外国人を自国に招き入れる時代は終わり、如何に外国人、特に不良外国人が入国したり、国籍を取得しないようにするか、既に入ってしまった外国人をどのように対処するか、国に有益な外国人だけどのように入れるか、などに知恵を絞る時代になっています。
父親が日本人の場合は婚姻が国籍取得の要件になっている、現在の国籍法でさえ犯罪者に悪用される体たらくです。国籍取得が厳しく制限されている、旧国籍法の方が今の時代に合った国籍法だと言えます。
出生時に日本国籍を取得できない方でも、誠実な方であれば日本国籍を問題なく取得できるのです。アメリカでは帰化1世は大統領になるどころか、国政選挙にもでれませんが、日本は帰化1世で帰化したばかりでも国政選挙にでれるどころか内閣総理大臣にでされなることも可能です。帰化により生まれた時から日本国籍を持つ者と区別されるような制度はほとんどないと思います。
国籍法は旧国籍法に戻すことを強く要望します。旧国籍法に戻せば、100年後の日本も今の日本と同様に、同じ日本文化を共有する国民が住む、住みやすい日本であり続けられると思います。
国家100年の計、と言いますが国籍法の改正には国家100年の計を考慮した慎重な上にも慎重な思慮が必要です。グローバリズムなどという流行ものに流されてはなりません。
国籍法の改悪は確実に文化の破壊を生むと考えられます。溜めておいた水(2000年かけて育んだ日本文化)は、流れ出すと止めることが非常に難しくなります。文化の破壊は簡単ですが、再構築は困難を極めます。安易なグローバリズムで水を流してはならないと信じます。
コメント by aw — 2008/11/5 水曜日 @ 19:33:37
>国籍法第三条一項
>日本人の父と外国人の母の間に生まれた子供が
>出生後に父から認知されても父母が結婚して
>いなければ日本国籍を認めない。
>
>これが今日では憲法違反とされた。
>(法律の制定当初は違憲ではなかったが、
>現在では違憲であるという判決だ。)
DNA検査
結婚前提等、
悪用されないように、
条件に入れてください。
コメント by はるか — 2008/11/5 水曜日 @ 22:28:50
少しは国防という物を考えて下さい。
少なくともスパイ防止法がないうちはこの法案に反対させていただきます。
移民を受け入れた諸外国が行っているDNA鑑定、語学及び学力審査、日本に愛国心があるか、またスパイ云々
これらを念頭においた上で再検討すべきかと
コメント by ゲスト — 2008/11/5 水曜日 @ 23:07:08
あの、失礼を覚悟で申し上げますが。
旧国籍法に拘っておられる皆様は
「梵暦運動」って聞いた事がおありですか?
江戸後期に外国から地球が丸いって知識が流入し
知識層にそれが広まるにつれて旧来の認識からの
反撃として高揚した運動らしいんですけどね。
なんだか、雰囲気が似てるんですけど。
コメント by 現実論 — 2008/11/6 木曜日 @ 23:50:08