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半導体:行き詰る需要、突破口はどこへ?(下)

新規需要の開拓もなく、供給過剰が慢性化

◆行き詰まる需要、出口が見えず

 周期が崩壊したもう一つの原因は、メモリー半導体の需要を引っ張る画期的な新製品が登場していないという点だ。2004年の好況期にはデジタルカメラやMP3プレーヤーなど、大容量のデータ保存が必要な情報技術(IT)機器がメモリー半導体の需要を引っ張ってきた。しかし最近はそれらに続くヒット商品が登場していない。

 一時はマイクロソフトのウィンドウズ・ビスタがパソコン需要を底上げするものと期待されたが、結果的に期待したほどの需要は呼び起こせなかった。複数のシンクタンクは来年のIT関連製品の成長率を1ケタかマイナスになると予想している。

 グッドモーニング新韓証券のキム・ジス研究員は「一部企業はすでにメモリー半導体の生産調整を行っているが、マクロ経済の縮小という想定外の要因もあって不況は続いている。携帯電話、デジタルカメラ、MP3の来年の販売見通しも今年ほどではない」と語る。

◆撤退しないなら持ちこたえるしかない

 専門家は業界再編だけが唯一の活路と指摘する。現在の供給過剰はあまりにも深刻なレベルに到達しているということだ。台湾のパワーチップ、プロモス、日本のエルピーダ、韓国のハイニックスなどはすでに生産調整を行っているが、その程度では大した影響はないということだ。

 専門家の指摘によると、1社か2社は合併・買収(M&A)の対象となる必要があるという。それまで韓国企業は生産性の向上や経費の削減などでキャッシュを確保し、来年以降に期待される景気の回復に備える必要があるということだ。

白承宰(ペク・スンジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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