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2008年10月25日

グラフで見る 妊産婦死亡率

今回は、8割近くがこれまでのエントリーからのコピペという、手抜きエントリーです(笑)。

まずは、過去エントリー「グラフで見る 日本の産科・小児科医療の優秀さ」からのコピペ。

「妊産婦死亡率の推移(1950~2005年)」



「OECD各国の妊産婦死亡率」


次は、「グラフで見る OECD Health Data 2008」からのコピペ。

「人口千人あたりの医師数(2005)」


ご覧の通り、日本の妊産婦死亡率は、戦後、劇的に改善し、この50年で30分の1まで激減しています。先進国中でも上〜中位にあり、人口あたりの医師数が先進国中最低ランクであることを考えると、世界的にも奇跡的な医療を実現していると評価してよいと思います。
でも、このような医療水準は、国内では「当たり前のこと」として、正当に評価されることは全然ありません。なんというか、医療に対する期待感が、ドラゴンボールなみのインフレを起こしている感じです。



で、今回、これまでのエントリーでは、参考資料がOECD加盟国とか先進国のみのデータだったので、他の国はどうなのかな、と調べてみました。

参考は、WHOの“World Health Statics 2008”です。巻末に、加盟192カ国の医療・保健データが掲載されていて、ここから、人口あたりの医師数、乳児死亡率、妊産婦死亡率を参照しました。

表は、人口あたりの医師数順に、乳児死亡率、妊産婦死亡率をまとめたものです。
なお、人口千人あたりの医師数が1.6人以上の国のみリストアップしていますが、1.5人以下の国で、乳児死亡率、妊産婦死亡率が日本を上回る国はありませんでしたので、ここでは割愛しています。

表中、妊産婦死亡率が日本より低い国を黄色で、乳児死亡率・妊産婦死亡率とも日本より低い国を青色で示しています。

「各国の乳児死亡率・妊産婦死亡率(医師数順)」



やっぱり、という感じで、日本より医師が少ない国で、日本より妊産婦死亡率が低い国は、クウェートだけでした。他の国の医師数は、日本より1.6〜2.4倍とずっと多いのです。
乳児死亡率が日本より低い国となると、アイスランドしかありません。
もちろん、医師数は、各国で定義や集計方法が異なるでしょうし、この医師のうち産婦人科や新生児科の医師の実数がどれくらいなのかは、この資料ではわかりません。しかし、そういう曖昧さを勘案しても、日本って、少ない医者でよくやっているなぁって思います。
(※ ちなみに、日本の医師数は、医籍登録から算出していて、実際に臨床に従事していない医師や、パートタイム勤務の医師もフルタイム勤務にカウントされるそうです。なので、実働医師数はもっと少ないと思われます。)

最近は「医師不足」が認知されてきたようですが、もし、日本の乳児死亡率や妊産婦死亡率をさらに下げ、もっと安全なお産を望むのであれば、この表だと、人口千人あたりの医師数3〜4人くらいが目安になりそうです。実数では、ざっと36万人〜48万人。今より10万〜22万人多い数ですね。あ〜、とても今すぐは無理。

ところで、先日10月23日に、「社会保障国民会議」から「医療・介護用シミュレーション結果」が公表されました。
この資料によると、2025年の医師数は、32万〜34万人と予想されています。
2025年の推計人口は、「国立社会保障・人口問題研究所」の資料によれば、1億1927万人ですから、人口千人あたりの医師数は、2.6〜2.8人になります。
ありゃ、17年経っても、今の他国の水準にすら届かないよ〜。

しかも、この医師数すら達成できるか、正直疑問だったりします。
というのは、2025年に医師34万人という数は、下のグラフのように、来年度から医学部定員を500名増やして、やっと届く数です。

またまた、過去エントリーグラフで見る 医師数の将来推計からコピペ。
「医師数の将来推計」


なんだか、気分が暗くなる話ばっかりですね・・・。



ちょっと、話題を変えましょう。
「ブータン王国」で知ってます? 私はよく知りません。クレヨン王国とかならまあまあ知ってるんですが。
最近、雑誌やテレビでよく見かけるんですよね。何でも、スローライフとか、王様が「GNH(国民総幸福量)」という概念を提唱したりとかで、エコロジーな文脈で語られて、総じて、ブータンのエコな生活を賞賛する内容が多いようです。

先日見たテレビ番組では、レポーターが現地のかたに「幸せですか?」って尋ねていて、すくなくとも放送されたなかでは、全員が「幸せです」、「今の生活に満足してます」って答えているんです。
で、レポーターは、そういう生活を絶賛しているんですよね。
ほー。だったら、率先してそういう生活を始めたらいかがでしょう。

ちなみに、先のWHOの資料によると、ブータンの医師数は、人口1万人あたり1名未満乳児死亡率は63(日本の21倍)妊産婦死亡率は440(日本の73倍)です。
これで、日本人が幸福感を得られるなら、医師不足問題も社会保障費問題も即解決ですね。
どうでしょう、日本ブータン化。

1 コメント:

skyteam さんのコメント...

 さまざまなデータが集積されていて、大変参考になりました。ブログに引用させていただきました。今後ともよろしくお願いします。