竜王戦の陰にかくれていましたが、こちらも「ある意味」面白い将棋でした。
清水さんの終盤は以前と比べると随分、粗くなってしまったのですね。中盤早々▲8三銀成と穴熊の上部を食い破る夢のような展開に持ち込んだのに、ここまでややこしくなるとは以前の彼女の磐石さを知っているウォッチャーには信じがたいことです。
主催紙のサイトには、「ところが、8九桂(百九手目)が7六金の決め手を逃した逸機。ここから形勢不明の終盤に突入した。一時は逆転ムードとの声も出たが、最後は清水が8一金(百四十五手目)以下、鮮やかな即詰みに仕留め、大熱戦に終止符を打った。」とあります。
1図の▲8九桂はともかく(多分、ポカなんでしょう。根っこの銀を外してしまえばいいだけですが)、その後の指し手もちょっと意図が分からないものが見られます。
2図では本譜の▲7六金(後手の歩を進ませ、金を渡してしまう。さらに桂馬の跳躍スペースも渡してしまう。)ではなく、▲5六金とかわすのが普通のはず。▲7六金△同歩▲6九玉△6六桂▲7九香では▲5六銀とでも打って、6七を支えるべきでは?
私のこれらの疑問が正鵠を射ているかどうかは現時点では確認する術がないのですが、主催紙サイトの総評だと、逆転には至っていないようです。
でも、3図で5三の香車を動かさず、△5六歩とでも手渡しをしてはどうだったのでしょうか。本譜は5三から香車が移動したため、▲5四桂と止めの桂馬を打つ場所ができてしまい、後手玉が頓死してしまいました。後知恵が常に正しいとすると、玉頭であやをつけつつ戦えば? という気がします。
終盤のぐだぐだ感に親近感を覚えてしまう、というと失礼な言い方になりますが、女流の将棋は偏差が大きいなぁ、というのが正直なところです。
|
PM 09:40:21 |
Comment(0) |
[将棋(四間飛車)]
|