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韓国造船業界、10月の受注ゼロ(下)

世界的な景気不振、氷河に衝突した造船産業

◆中小のメーカーは操業を中断

 需要減の影響で、大手メーカーが主に製造している付加価値の高い超大型タンカーの新規注文価格は、先月に入って1隻当たりおよそ100万ドル(約9900万円)も下がった。33カ月間続いた価格上昇の流れがついに途切れたことになる。

 産業研究院の洪性仁(ホン・ソンイン)研究委員は「韓国の造船業が景気後退期に入ったと結論付けるのは時期尚早だ。来年後半になれば造船景気も持ち直すだろう」と予測している。ある大手メーカーの関係者は「価格が高い海洋プラントの方向へと交渉が進んでいるものもあり、今年の受注目標は何とか達成できる見込みだ。注文が一時的に減ったとしても、4年分の受注をすでに受けているため問題はない」と述べた。

 しかし中小のメーカーは困難な状況にある。資金難に直面しているC&重工業は今年8月から事実上の操業中断に入った。また全羅南道海南市のあるメーカーは、4000億ウォン(約310億円)を投じて建設を進めていた2番目のドック建設が、銀行からの資金供給中断で遅れが生じ、操業のスケジュールを見直さざるを得ない状況にある。その上注文までが先細りすれば、中小のメーカーとしてはまさに「泣きっ面にハチ」となってしまう。

◆来年後半以降に期待

 業界関係者は「中小の造船所が顧客とする船主は資金力が十分でないケースが多い。そのため世界的な金融危機の影響をまともに受けている。資金源が行き詰まっている船主の中には注文を取り消すケースも出てくる可能性がある」と暗い見通しを口にしている。また、発注の余力が残っている船主らも大手のメーカーに流れているようだ。信栄証券のチョ・リサーチセンター長は「韓国の中小造船メーカーにとっては構造調整が避けられなくなるだろう」と述べた。

金承範(キム・スンボム)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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