二十歳の原点 (1973/日) 製作 金子正且 監督 大森健次郎 脚本 重森孝子 / 森谷司郎 原作 高野悦子 撮影 中井朝一 音楽 小野崎孝輔 出演 角ゆり子 / 大門正明 / 地井武男 / 鈴木瑞穂 / 福田妙子 / 高林由紀子 / 丹波義隆 / 富川徹夫 / 川島育恵 / 津田京子 黒澤明に師事し、大作『地震列島』(1980年)の監督として知られる大森健次郎のデビュー作。二十歳で自殺した女子大学生・高野悦子の日記をもとに、若者の全共闘運動後の喪失感と生きることへの焦燥、揺れ動く恋心が描かれている。 中学の頃、原作本に出会ったときの衝撃は今でも忘れられません。今回、映画版を観るにあたって、自分なりに持っていたイメージが崩れるのではないかという心配もありましたが、そんなこともなく、当時の様子の再現映像として非常に興味深く観ることができました。高野悦子役の角ゆり子も、最初は幼さすら感じさせる女子大生が徐々に変わっていく様をうまく演じていて良かったと思います。地井武男は今のイメージとは全然違う感じで新鮮でしたね。 本を読んだり、四人囃子のサントラを聴いている段階では白黒のイメージだったのが、この映画を観たことによって色が付いたという感じです。 (8点) 旅に出よう テントとシュラフの入ったザックを背負い ポケットには一箱の煙草と笛をもち 旅に出よう 出発の日は雨がよい 霧のようにやわらかい春の雨の日がよい 萌え出でた若芽がしっとりとぬれながら そして富士の山にあるという 原始林の中にゆこう ゆっくりとあせることなく 大きな杉の古木にきたら 一層暗いその根本に腰をおろして休もう そして独占の機械工場で作られた 一箱の煙草を取り出して 暗い古樹の下で一本の煙草を喫おう 近代社会の臭いのするその煙を 古木よおまえは何と感じるか 原始林の中にあるという湖をさがそう そしてその岸辺にたたずんで 一本の煙草を喫おう 煙をすべて吐き出して ザックのかたわらで静かに休もう 原始林を暗やみが包みこむ頃になったら 湖に小舟をうかべよう 衣類を脱ぎすて すべらかな肌をやみにつつみ 左手に笛をもって 湖の水面を暗やみの中に漂いながら 笛をふこう 小舟の幽かなるうつろいのさざめきの中 中天より涼風を肌に流させながら 静かに眠ろう そしてただ笛を深い湖底に沈ませよう |
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なつかしいですね!通学先の駅のそばに張ってあった事を覚えています。その貴重なポスターをブログに掲載してくださりありがとうございます。 |
イワン 2008/10/14 17:20 |
イワンさんコメントありがとうございます。 |
TM 2008/10/14 17:59 |
この映画ずっと気になっているのに観る機会がなくて、自分で自主上映しようかな、なんて思っていたのですが、この記事読んで益々その気になってきました。で、ひとつ教えて頂きたいのですが、四人囃子の音楽は映画本編には使われているのですか? |
トミ 2008/10/31 00:20 |
トミさんコメントありがとうございます。 |
TM 2008/10/31 09:08 |
悲しいかな広島なんです。 |
トミ 2008/10/31 18:39 |
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