【11月8日 AFP】アジアにおけるフカヒレスープの需要が、野生におけるサメの個体数を過去最低にまで激減させている。オーストラリア政府および野生動物の取引監視団体「トラフィック(TRAFFIC)」が5日、このような報告書を発表した。
報告書は、サメの20%以上の種が既に絶滅の危機に瀕しており、乱獲や密漁に対する政府の管理体制の欠如が、個体数の減少に拍車をかけていると警鐘を鳴らす。
さらに、サメは産卵数が少なく成長も遅いこともあり、乱獲による影響は特に大きいと指摘。「サメをめぐる状況は悪化し続けている」としている。
報告書を共同執筆したトラフィックのグローバル海洋プログラムのリーダー、グレン・サント(Glenn Sant)氏は、密漁などにより、食用として年間どの程度のサメが捕獲されているかは不明だと言う。
同氏は、世界の大半でサメの捕獲に関する規制が設けられていないことが問題を悪化させているとした上で、多くがアジア市場向けのフカヒレのために捕獲されていると指摘。「われわれはフカヒレの取り引きに反対しているのではなく、乱獲に反対している」と強調した。
また、報告書の事例研究では、オーストラリア近海でフカヒレ目当ての違法なサメ漁が多く行われていることが示されているという。(c)AFP
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