国内大手のインターネット競売サイト「ヤフー・オークション」で利用者のIDが不正利用され、身に覚えのない出品手数料などを請求される被害が多発しているとして、適格消費者団体「消費者支援機構関西」(大阪市)は29日、サイトを運営するヤフー(本社・東京都港区)に対し、原因公表や返金、防止策などの措置を早急にとるよう書面で要請した。
同団体によると、今年4月以降、ヤフーから身に覚えのないオークションの特別会員料や出品手数料を請求されたり、口座から引き落とされたとの相談が寄せられた。同団体がホームページ(HP)を使って調査したところ、28日現在の被害情報は255件あり、被害額は最高で約28万円に上った。
ヤフーが調査した結果、利用者が他のサイトで同一のパスワードやヤフーメールのアドレスを使った場合、そのサイトの管理者にヤフーのIDが知られたケースがあることなどが分かったという。9月から利用者に対し、パスワードの変更やログイン履歴の確認をHPで呼びかけている。
ヤフーは「ヤフーからパスワードが流出した事実はなかった」としているが、返金について「被害相談が数千件に上っており、金額の確定に時間がかかっている。対応が遅れている方には申し訳ないが、被害が確認でき次第、順次返金している」と話している。【北川仁士】
毎日新聞 2008年10月30日 1時58分