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モンゴル僧:アジャ・リンポチェ氏、来仙 時を超え、平和の教え--仙台 /宮城

 県内の留学生らの招きで来仙したモンゴル民族の僧侶アジャ・リンポチェ氏(58)が、13世紀の元寇に由来するとされる、仙台市宮城野区の善応寺境内の「蒙古の碑」などを訪れた。

 アジャ氏は中国青海省のモンゴル遊牧民出身。チベット仏教の高僧の生まれ変わりとして慕われ、中国政府の要職も務めたが、98年に亡命、現在は米国に住む。

 仙台市教委などによると、蒙古の碑は、鎌倉時代の渡来僧・無学祖元が、元寇で没した故国の兵士追悼のため建立したと伝わる。アジャ氏は、東北大大学院生、ケレイト・フビスガルトさん(42)の案内で3日に同寺を訪問。碑の由来や地元で供養されてきた経緯を聞き、モンゴルで好まれる青色の「カタ」(儀礼用の薄布)を供え、経をあげた。

 無学祖元は元朝支配を逃れて北条時宗の招きに応え来日、臨済宗無学派を開いた。アジャ氏は、宗教活動への政治介入を嫌って亡命した自らの立場を重ね、「モンゴルと日本は戦争で出合ったが、800年以上の時を経て、今ともに仏教を尊び、平和の教えを語ることができる。碑を訪ね、利他の心を説く仏教への希望を新たにした」と話した。

 また、アジャ氏は同日、仙台市若林区の松音寺で法話。留学生や地元の檀家(だんか)ら約90人が訪れ、熱心に聴き入っていた。【藤田祐子】

毎日新聞 2008年11月8日 地方版

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