30日死去した共産党の上田耕一郎元副委員長は、国会で厳しく歴代自民党首相らを追及したことで「上田節」として知られた。
志位和夫委員長は30日の会見で「まずは国会論戦を思い出す」と回想。「暮らしの問題から安保、平和の問題まで縦横無尽の働きをされた。大変身近な大先輩がいなくなり、寂しい思いだ」と上田氏の死を悼んだ。
1946年に共産党に入党し、学生運動や住民運動などに参加。64年からは党中央委員会に勤務、機関誌「赤旗」編集局長や政策委員長、選対局長などを歴任した。
74年から24年間の参院議員生活では常に第一線に。田中角栄元首相の金脈問題をはじめ、ロッキード事件で中曽根康弘元首相、リクルート事件で宮沢喜一元蔵相を厳しく追及した。中曽根氏から「上田さんは楽しそうに質問する」と皮肉を言われたことも。
議員引退を控えた97年、毎日新聞のインタビューで「金権腐敗の問題が最も印象的」と振り返り、引退後は憲法9条改正阻止の活動に傾注し、04年には超党派団体「九条の会」の発足に尽力。06年の第24回党大会で名誉役員になった後も「憲法改悪反対闘争本部員」の肩書は捨てなかった。【佐藤丈一】
毎日新聞 2008年10月30日 22時26分(最終更新 10月31日 0時17分)