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韓国は「プラスチック共和国」(下)

◆割れない皿がいい?

 フードコーディネーターのハン・ファジョンさんは「かばんや服、靴を季節ごとに変える関心と意欲に比べ、健康に直結する容器に変化を与えることにはほとんど関心がない」と指摘する。食器にこだわらないのは「割れない皿」に執着する韓国人特有の傾向と関係があるという。趙美淑教授は「1960年代の景気低迷、そしてパンとインスタントラーメンの登場で、庶民生活では耐久性のあるステンレスやプラスチックが主流を成し始めた」と分析した。実用性が強調された食器文化がそのまま定着した格好だ。しかし、実用性に対する行き過ぎた執着は食文化の発達を阻害する、というのが専門家の考えだ。ハンさんは「外国でプラスチックの皿に食べ物を盛り付けて客に出せば失礼に当たる。刑務所で使われる容器だという認識があり、食器のランキングの最下位に位置する」と説明した。ハンさんによると、一部の保護者は子供にわざとガラス容器を使わせるという。注意して扱わせることも教育の一環だと考えるからだ。

◆子供用陶器、環境にやさしい紙容器を

 幸い韓国の食文化にも少しずつ変化の風が吹いている。メラミン樹脂の食器の安全性に対する論議が起きてからのことだ。韓国陶磁器によると、メラミン騒動以降、子供用陶食器の販売量が5倍に増えたという。ロック・アンド・ロックが開発した陶器製の密閉容器「ゼン・アンド・ロック」の販売量も3倍に増えた。ハン・ファジョンさんは「西欧ではリサイクルが可能で、体に無害な紙容器が多様なデザインで開発されている。この機会にプラスチック製食器に代わる新たな容器がたくさん開発されれば」と話す。一方チョ・ドンソプさんは最近、主婦らと共に、炊飯器を買うと無料で付いてくるしゃもじをプラスチック製から木製に切り替えてもらおうという運動を計画している。趙美淑教授は「われわれの祖先は食べ物の温度を保つために冬には真鍮(しんちゅう)製の容器、夏には陶磁器を使った。角張ったものより円形の容器を利用して、丸い性格をはぐくんできた。食器文化は子供たちの教育面においても重要視されるべきだ」とアドバイスした。

キム・ユンドク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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