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韓国は「プラスチック共和国」(中)

日本人が好む東京のうどん店。うどんのどんぶりはもちろん、全ての食器が陶器やガラスだ。/写真=朝鮮日報DB
◆まな板、食用油、離乳食容器までプラスチック

 最近のメラミン騒動がきっかけで話題に上ったプラスチック。韓国ほどプラスチック容器を多く使う国はあるだろうか。

 統計庁が発表した主要国の一人当たりの年間プラスチック消費量(グラフィック参照)を見てみよう。2006年現在で韓国の一人当たりのプラスチック消費量は98.2キロであるの対し、英国は56.3キロ、日本は66.9キロ、フランスは73キロだ。韓国石油化学協会のキム・ピョンジュン本部長によると、プラスチック製品全体に容器が占める比率は通常7%台。それに基づき換算すると、韓国の一人当たりのプラスチック容器消費量は6.9キロ、英国は3.9キロ、日本4.9キロ、フランス5.1キロとなる。米国の一人当たりのプラスチック消費量は97.7キロで、プラスチック容器消費量は6.8キロと韓国とさほど大差はないが、プラスチック容器の半数以上は食料品ではなく、生活用品の保管箱として使われている。これに対し、韓国ではプラスチック容器の80%が食料品を盛り付けるのに使われている。

 また、1年間に韓国で生産されるプラスチック容器の量も増加している。食品医薬品安全庁の「食品および食品添加物生産実績」(グラフィック参照)によると、06年に生産されたプラスチック容器は104万3945トンだった。02年が51万9929トン、03年が47万7397トン、04年が82万1263トン、05年が141万1094トンと年々増加傾向にある。一方、ガラス・陶器・ホーロー製容器の生産量は、02年が66万4993トン、04年が40万3339トン、05年が44万4780トンで減少傾向となっている。07年には韓国の加工食品の容器・包装材の71.5%が合成樹脂製だった。

◆冷蔵庫に整然と収納、プラスチックの便利さ

 プラスチックから出る環境ホルモンの有害性に関する論議が絶えないにもかかわらず、なぜわれわれの食卓にはプラスチックが多いのか。梨花女子大食品栄養学科の趙美淑(チョ・ミスク)教授は、韓国特有の食文化と関係があると分析する。「おかず類、キムチ類、醤油漬など一度に食べきるのではなく、長期間保存が必要なものを積み上げて保存しなければならないため、プラスチックのように軽くて便利な容器が好まれる」という。欧州の場合、汁物のおかずがあまりなく、食事後に残される食べ物もほとんどないため、貯蔵容器が必要ない。レストランコンサルタントのキム・アリンさんは「ソウルなど大都市に住む人々ですら、家で食事をする比率が世界のどの都市よりもはるかに高く、軽くて使いやすい器が好まれる」と話した。

キム・ユンドク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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