ウイルコの説明や関係者によると、同社やアド印刷がDM発送を格安でできたのは、広告会社「新生企業」(大阪市西区)などを介して低料第3種が適用される障害者団体を利用していたからだった。低料第3種が認められるのは、発行部数の8割以上が有償で購読されている障害者団体の定期刊行物が対象だが、取材に対し、6社とも、郵送先のほとんどは障害者団体発行の定期刊行物の購読者ではなく自社の顧客だったことを認めている。
これに対し団体側も「(発行を任せることで)寄付などの名目で月に数十万円を得ていた」などと証言していた。
郵便料金は、はがき以外では1通80円が通常の最安値。10万通規模の広告郵便物に適用される最大の割引率40%を受けたとしても最低で48円は必要だが、低料第3種を使えば8円。免れた40円が1500万通で6億円になる。
一方、ウイルコは低料第3種による自社の郵送量を「調査中」とし、他社からの受注量については「取引先のことなので公表できない」と言っている。アド印刷は複数回の取材依頼に対し、「応じられない」としている。