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郵便の障害者割引悪用1500万通 6億円超の料金逃れ(1/2ページ)

2008年10月26日3時3分

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 大手印刷・通販会社「ウイルコ」(東証2部上場、石川県白山市)などが、障害者団体の「低料第3種郵便物」制度を悪用してダイレクトメール(DM)広告を格安で郵送していた問題で、この手法を使ったDM広告の郵送が05年以降、全国で少なくとも1500万通にのぼることが朝日新聞の調べで分かった。支払いを不正に免れた郵便料金は少なく見積もっても6億円を超える。(上沢博之)

 低料第3種郵便を悪用したDMの具体的な部数や郵便料金の逸失額が明らかになったのは初めて。一般の郵便利用者の負担で成り立っている低料第3種が広く悪用されている実態が裏付けられたが判明分はなお一部とみられる。

 約1500万通のうち約1150万通はウイルコと今回新たに明らかになった印刷会社「アド印刷」(福岡市)が、残る約350万通は両社以外の数社が関与。ウイルコなどは低料第3種の利用を広告主に持ちかけてDM広告の印刷業務などを受注していた。

 発注側は次の6社で、部数と受注側をそれぞれ明らかにした。福岡市の健康飲料メーカー(約560万通、ウイルコとアド印刷)▽名古屋市の通販会社(約419万通、ウイルコと別の2社)▽同市の健康食品メーカー(約273万通、アド印刷と大阪市の広告会社)▽愛知県安城市の調味料メーカー(約196万通、アド印刷)▽広島市の薬品メーカー(約30万通、アド印刷)▽東京都世田谷区の大手飲食チェーン(約25万通、ウイルコ)。計約1500万通となる。

 取材に対し、6社とも具体的に低料第3種の利用を認め、ウイルコ側やアド印刷から「格安でDMを郵送できる」などと営業を受けて契約したと説明。コンプライアンス(法令順守)上の問題を認め、今後は、この制度を利用しない方針を決めたという。

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