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日米欧の「三極委員会」に中印が参加へ

2008.5.10 18:55
このニュースのトピックス米国

 【ロサンゼルス=松尾理也】日米欧の知的交流の場として米国の大富豪デビッド・ロックフェラー氏が創設し、世界の進路にも影響を与えてきたとされる三極委員会(旧日米欧委員会=トライラテラル・コミッション)が、早ければ来年の東京会合から、中国、インドの参加を認める方針を決めた。同委関係者が明らかにした。

 同委員会が中印両国に門戸を開くかどうかは、ここ数年懸案だった。関係者によると、冷戦終結後の国際情勢の変化の中で、両国が参加しないままでの会合は意味がなくなりつつあるといった議論や、同委を解散すべきだといった意見も出ていた。4月末に米ワシントンで行われた今年度の会合で、両国を加えて継続することを最終的に決めた。

 三極委員会は3年ごとに組織や運営のあり方を見直すのが通例のため、来年の東京会合までは原則として現行体制が維持される。中国、インド両国は2010年の欧州会合からの参加となる予定だが、情勢によっては時期を早め、来年からの参加もあり得るという。

 同委員会日本事務局を担当する日本国際交流センターの山本正理事長は産経新聞の取材に対し、現在の世界での中印両国の重要性は疑いようがないとしつつ、「委員会の規定では、参加国は『先進工業民主主義国』とされている。とりわけ中国がこの定義に当てはまるかどうかには議論があった」とした。

 山本氏は、中国の参加によって従来の日本の主導的立場が変わったり、事務局が東京から北京に移るなどの可能性は「考えられない」と述べる一方、「発足時から日米欧の指導者が結集し、いわれのないことながら『世界政府』と揶揄(やゆ)されることすら珍しくなかった三極委員会に中国とインドが入ることは、世界史的な転換点といえるかもしれない」と話している。

 ■三極委員会 「日米欧委員会」として1973年設立。欧米エリートによる「ビルダーバーグ会議」に経済成長の著しい日本の受け入れを打診して断られたため、新しい協議の場を作ろうとするロックフェラー氏の意向があったとされる。創設時には宮沢喜一氏(後に首相、故人)ら各国のトップエリートが集まった。中欧やメキシコ、韓国やオーストラリアといった地域諸国も徐々に加わり、00年には日本語名称を「三極委員会」に改称した。

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