日本フィルハーモニー交響楽団!
創立指揮者、渡邉曉雄のもと1956年6月22日に創立。“市民とともに歩むオーケストラ”として、「人・音楽・自然」をテーマに、2006年には創立50周年を迎えた、日本を代表するオーケストラのひとつです。そして2008年9月よりロシアの名指揮者アレクサンドル・ラザレフを首席指揮者に迎え、新たな体制が始動。さらなる演奏水準、幅広い音楽が期待されています。
11月の日本フィルは「マエストロ沼尻Month」!
そんな日本フィルハーモニー交響楽団の定期公演と並び人気の「名曲コンサート」「アフタヌーンコンサート」。それらを繰り広げる11月の日フィルは、人気指揮者、沼尻竜典がタクトを振ります。つまり11月は「マエストロ沼尻Month」。指揮者沼尻ファンにとってもたまらない月となりそうです。
人気のヴァイオリニスト、アン・アキコ・マイヤーズを迎えて!
その「マエストロ沼尻Month」の中でも、日曜の午後のひとときをサントリーホールで過ごす「名曲コンサート」には、世界的ヴァイオリニスト、アン・アキコ・マイヤーズを迎えます。彼女はメンデルスゾーンの《ヴァイオリン協奏曲》と三善晃の《アン・パサン》というロマン派の作品と現代作品を演奏します。
沼尻にとって作曲家の三善晃は「音楽家になるきっかけとなった存在」とする恩師。三善の作品をマイヤーズに提案し、実現することになったプログラムだといいます。特にこの作品はCD化されていないので、必聴ものとも言えるでしょう。
三善晃というひと。
日本を代表する作曲家のひとり、三善晃は1933年東京生まれ。3歳の頃から自由学園の音楽教室でピアノを学び、その後平井康三郎に作曲とヴァイオリンを師事しました。51年東京大学文学部仏文科に入学。在学中の53年《ソナタ》が第22回日本音楽コンクール作曲部門第1位、54年《ピアノと管弦楽のための協奏交響曲》が第3回尾高賞、文化庁芸術祭奨励賞を受賞し注目されます。
55年給費留学生としてパリ音楽院に留学、アンリ・シャラン、レイモン・ガロワ・モンブランに師事。57年に帰国しますが、東京大学に復学し、60年に卒業。このころから毎年のように話題の大作を生み出すようになります。99年2月には初のオペラ《遠い帆》を発表し、大きな成功をおさめました。
さらに桐朋学園大学で後進の指導にも当たり、95年まで同大学学長を務めました。1999年12月、芸術院会員となり、2000年3月には第31回サントリー音楽賞を受賞。現在、東京文化会館館長を務めています。
沼尻竜典というひと。
1964年東京生まれ。桐朋学園大学において、指揮を小澤征爾、秋山和慶、尾高忠明、作曲を三善晃、ピアノを徳丸聡子、藤井一興の各氏に師事。大学4年在学中から1989年に留学のため渡独するまでの約2年半、新日本フィルハーモニー交響楽団で小澤征爾氏のアシスタントとして活躍しています。また同時期、NHK交響楽団において鍵盤楽器奏者として数多くの演奏会に出演。渡独後はベルリン国立芸術大学にて、ハンス=マルティン・ラーベンシュタイン教授に師事。
1990年9月、第40回ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝を果たし、以後フランスではトゥールーズ・キャピトル劇場管弦楽団、パリ室内管弦楽団、他にドイツ、イギリス、デンマーク、イスラエルのオーケストラを指揮し成功を収め、着実にヨーロッパでの実績を重ね、オペラ指揮者としての活躍。人気、実力と共に、日本を代表する指揮者の一人です。
アン・アキコ・マイヤーズというひと。
アメリカ人と日本人の両親のもとにサンディエゴに生まれたアン・アキコ・マイヤーズは、4歳からヴァイオリンを始め、1981年、11歳の時にロサンジェルス・フィルハーモニックとの共演でデビュー、翌年には、ズービン・メータ指揮ニューヨーク・フィルハーモニックと共演しました。そのダイナミックで説得力のある演奏で同世代のトップ・アーティストに上り詰め、1986年にヤング・コンサート・アーティストに名を連ねることになります。1993年にはアヴェリー・フィッシャー・キャリア助成金を受けましたが、毎年給付されるこの助成金が一人のアーティストだけに与えられたケースは彼女の他にいないとのこと。コルバーン・スクール・オブ・パフォーミング・アーツ(ロサンジェルス)でアリス・シェーンフェルドに、インディアナ大学でジョセフ・ギンゴールドに、ジュリアード音楽院で川崎雅夫ドロシー・デュレイに師事。ニューヨーク市在住。
日曜の午後の刺激!
沼尻竜典の指揮のもと、日フィル、そしてアン・アキコ・マイヤーズの演奏で聴くロマン派対現代作品。三善晃の愛弟子であり、三善を敬愛して止まない沼尻のタクトは冴え渡るに違いありません。刺激の「日曜の午後のひととき」を期待したいものです。
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