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私は“脳のMRI”で、たばこをやめました

前頭葉や側頭葉の萎縮が進み…

 わかっちゃいるけどやめられない−そんな依存症のひとつが喫煙。しかし、“あるモノ”を見てギョッとして禁煙宣言に走る人が急増中だ。そのモノとは?

 【脳のMRI画像】

 写真が、そのモノである。磁気を応用した脳の画像診断検査「MRI」の画像だ。喫煙による「実年齢以上の脳の萎縮」と「脳の病気」を目の当たりに見せつけてくれる。

 喫煙と脳の異変の関係について、20年間にわたり、外来や脳ドックで、延べ約5万人の脳検査を行った埼玉医科大学総合医療センター(埼玉県)神経内科の大貫学講師が解説する。

 「たばこを吸う人は、同年齢の吸わない人に比べ、脳の前方にある前頭葉や両側の側頭葉の萎縮が進んでいる人が多かったのです」

 【健康かたばこか】

 そこで大貫さんは、患者が喫煙者だと分かると、「たばこが『脳の萎縮』を促進し、血流低下で起きる『かくれ脳梗塞』や『脳動脈硬化症』を進行させるかもしれない。脳の3大老化現象が勢ぞろいするわけです。このままだと65歳までに健康に大きな問題が起こる危険性がありますよ」と告げるのだという。

 たばこをとるか健康をとるか−患者の決断は早い。これまで何度も禁煙に失敗してきた人の多くが、「今度こそ!」と禁煙宣言をするのだ。

 1年後。定期検診の際の聞き取り調査では、たばこを吸っている人はほとんどいないという。

 【認知症との関連】

 そもそも健康で非喫煙者なら、脳の萎縮が目立ち始めるのは60歳代。それが喫煙者では萎縮は35歳ぐらいから始まることになる。1日20本、喫煙歴35年の55歳男性を例に大貫さんは「同年齢で非喫煙者の男性と比べて前頭葉と側頭葉を中心に脳の萎縮があり、それによる脳動脈硬化が進んでいることがわかります」という。

 また、脳の萎縮は、将来の認知症につながるというから油断できない。

 「最新の研究では、喫煙歴が15年を超えるとたとえ物忘れの自覚症状がなくてもすでに水面下では認知症が始まっている可能性があると指摘されています。比較的若いころに発症する認知症は自らつくっているのです」

 【周囲への影響が心配】

 問題はまだある。喫煙者本人だけではなく副流煙を吸わされる子どもや配偶者など周囲の人にも同様の健康被害が及ぶことだ。

 喫煙習慣は、家族に対する“健康テロ”だと肝に銘じよう。

 あなたがたばこを吸っているならぜひ1度、脳の専門外来でMRIを撮ってみてはいかがか?

ZAKZAK 2008/11/04

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