米FOXテレビは6日、米大統領選で共和党の副大統領候補だったペイリン・アラスカ州知事(44)が、アフリカを大陸ではなく国名だと思っていたと伝えた。選挙戦で争点にもなった北米自由貿易協定(NAFTA)の加盟3か国(米国、カナダ、メキシコ)も知らなかったという。ペイリン氏は2012年の次期大統領選で、共和党候補の筆頭になるとの見方も出ているが、大丈夫だろうか?
大統領選中はオフレコとされていたペイリン氏の“おバカ”発言が明らかにされた。
FOXは、大統領選で敗れたマケイン上院議員の陣営関係者の話として「ペイリン氏は、アフリカが国ではなく大陸であることを理解していなかった」と報じた。
さらに、選挙戦でその支持をめぐり何度も争点となったNAFTAについても、「加盟国が米国、カナダ、メキシコであることを知らなかった」と明らかにした。
マケイン陣営はあまりの無知ぶりに「選挙戦の伴走者として、副大統領として、大統領の側近として、当然知っているべき知識が欠落している」とあきれ果て、ペイリン氏の能力に強い懸念を抱いたという。
FOXは、選挙期間中にこの“おバカ”発言の内容をつかんでいたが、大統領選が終わるまでは「オフレコ」として封印されていたという。
ペイリン氏は、選挙戦でも無知な“おバカ”発言を連発している。
9月には、ABCテレビのインタビューで、テロ指定国家やテロリストに対する自国防衛のための先制攻撃論を宣言した「ブッシュ・ドクトリン」に賛成かどうかを質問され、「どういう面で?」と逆質問。怪しげな空気を察したインタビュアーが「それを何だと思っているか?」と突っ込むと、ペイリン氏は「ブッシュ大統領の世界観かしら」と自信なさげに答えた。ペイリン氏はこのインタビュー前に、マケイン陣営の政策アドバイザーから、さんざん想定問答の特訓を受けていた。
そんなペイリン氏だが、共和党内からは早くも、2012年の大統領選出馬を期待する声が出ている。当の本人は先月、フランスのサルコジ大統領を装ったカナダのコメディアンからの「いたずら電話」にだまされ、大統領就任について「もしかしたら8年後に」と2016年の就任へ向けた野心を語っている。
今回の大統領選では、女性初の副大統領就任を逃したペイリン氏だが、今後も奔放な言動に注目が集まりそうだ。
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