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道内18機関が分娩休止 05年以降大学、医師引き揚げ(11/08 07:45)産婦人科医不足が深刻化する中、二〇〇五年以降に分娩(ぶんべん)を休止した道内の医療機関が十八カ所に上ることが七日、北海道新聞の調べで分かった。激務の産科医へのなり手の急減に加え、訴訟リスクを回避する動きが広がり、産科医一人体制の病院から大学が派遣医を引き揚げたことが主な要因だ。医師の高齢化による休止も目立つ。今後さらに減る恐れは高く、国や道、自治体の対策が急がれる。 北海道新聞の集計で〇五年以降に分娩を休止した十八カ所は道内全二十一の二次医療圏のうち十二圏域に及ぶ。南桧山圏は、お産を扱う医療機関がなくなり、留萌、日高の両圏は一カ所に減った。現在、道内で分娩を扱う医療機関は百四にとどまっている。 休止理由は「大学が、産婦人科医が減って余裕がなくなったとして派遣を打ち切った」が十カ所と最多で、うち五カ所は「一人体制では、安全な分娩が確保できない」だった。 さらに背景には、一人で分娩を担っていた福島県立大野病院の医師が、帝王切開で出産した女性が手術中に死亡したことで、業務上過失致死などの疑いで逮捕・起訴された事件(今年八月に無罪確定)がある。これを機に道立江差病院などから常勤医を引き揚げた札幌医大の斉藤豪(つよし)・産婦人科学講座教授は「地域のお産を守るため、一人体制を極力守ってきたが、医師逮捕以降、大学として責任を持って派遣することができなくなった」と話す。分娩は続けても、常勤医から週替わりの出張医などに切り替え、リスクを分散するケースも多い。 産科医との連携が不可欠な小児科医不足が障害になったケースもある。市立小樽病院は「新生児を担当する小児科医の退職で休止」と話し、伊達赤十字病院は「常勤の小児科医を確保できた時点で再開したい」としている。 また、院長一人で二十四時間対応してきた医院は「体力的にきつくなった」などと高齢化が主な理由となっている。 道内の医師総数は〇六年で一万千五百七十九人と、十年で千三百人増えたが、産婦人科医は同八十人減の三百五十九人に落ち込んだ。このうち六十歳以上が六十六人(うち七十歳以上二十五人)を占める一方、二十代は九人と〇四年の二十四人から急減。なり手不足が深刻化している。 〇六年に北大が常勤医派遣を打ち切った市立根室病院は、独自にも産婦人科医を募集しているが「大学の後ろ盾がないため、緊急時に応援医師を派遣してもらえない」(同病院)ことなどから、引き受ける医師は現れていないという。 |
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