「地球温暖化による世界初の難民」、パプアニューギニア・カーテレット諸島で住民の移住開始へ

　地球温暖化による海面上昇の影響で、急速に土地が失われているパプアニューギニアのカーテレット諸島―同諸島に住む40世帯が、来年3月までに近隣のブーゲンビル島に移住することが明らかになった。

　ブーゲンビル自治政府（ABG）のRaymond Masono氏によると、現在ABGは移住先となる土地の確保に向け、地主らと交渉を進めているところだという。

　カーテレット諸島からブーゲンビル島への住民移住プロジェクトを推進するため、ABGはすでに委員会を設置。来年3月から2014年まで、プロジェクトは段階的に進められる予定になっている。Masono氏によると、ABGとパプアニューギニア政府が推進する同プロジェクトの費用は数百万ドル規模となる見通し。

　カーテレット諸島ではこの20年間で海面が10センチメートル上昇、農地が浸水するなどの被害が出ている。関係当局には状況の悪化を指摘し、海抜の高い土地への移住計画を進めるよう訴える住民たちの声が寄せられているという。

　その一方で、住民約1500人のうち約3分の1の人々は島と運命を共にする覚悟を示し、長年暮らしてきた土地から離れることを拒否している。

　国連人道問題調整事務所（OCHA）の統合地域情報ネットワーク（IRIN）は今年6月、「ブーゲンビル自治州カーテレット諸島の住民は、地球温暖化による世界初の難民となる」との報告書を発表している。(c)Solomon Times


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