底抜けに明るく、とことん前向き。常に笑顔を忘れない上地は、どんな子供時代を送ってきたのか、どんな人々とかかわってきたのか…。
番組のベースは、今年8月に発売され、現在43万部の自伝エッセー「上地雄輔物語」(ワニブックス)。全体の7割を占めるドラマは、野球に打ち込んだ中高生時代が中心。ドキュメンタリーでは、上地が思い出の場所や人々をたずね、ゆかりのゲストが当時の上地について語る。
企画したフジテレビ編成部の吉田豪氏は、「上地さんの人気は、おバカキャラだけでなく、彼が持っている、人を幸せにする独特の空気。今回のドラマは、『上地雄輔』を作り上げた周りの人々すべてが主人公です。出会いのすばらしさ、出会いに感謝することの大切さを伝えたい」と話す。
同氏によると、当初、上地は「オレはそんな偉い人間じゃないスから、勘弁してくださいよぉ」とドラマ化を断ったが、「上地さんを通して、周囲の温かい人々を描くことが裏テーマ」と説明し、理解を得たという。
その“周囲の人々”が強烈な個性派ぞろい。突然学校に来て教科書を開いていない生徒の頭をポカスカ殴って帰る祖父や、雄輔少年をたくましく鍛えようとする父、破天荒な祖父と夫を支えながら息子を育てる母…。さらに、右ひじの故障が原因で、もがいていた上地を支えたコーチや仲間たちとのエピソードなどもふんだんに盛り込まれる。
上地役は、上地本人が審査に加わり、12月に行うオーディションで決定。“上地の分身”に注目が集まりそうだ。