2008年11月7日(金)
やりなげ
1997年頃からひどい鬱だった私は、もうどうでもよかった。
妻だけが、心底青くなり何とかしなくちゃとかけずり回っていた。
私は、自分が自閉症であることはもう決めつけていたからどうでも良かったが、
妻は、その正体を知るべく、アダルトチルドレンだとか、色々推論を立て検証し、ついにアスペルガー症候群だと確信したようだ。
今度は、病院探し。
当時は、大人の自閉症を診察するところもなく、まして診断能力がある病院は見つからなかった。
ところが、今度出来た診療所では、特別診察してくれるらしい。
妻は、情報を聞きつけ、大急ぎで申し込んだ。
診察は、多数応募があって、1年待ちらしい。
1年でも2年でも、5年でも待つ。きちんと診察を受けられるなら。
私にとって、診察、診断などどうでも良いことだった。
嫌だったら、診察日に行かなきゃ良いだけだ。
ところが、1999年。NHK教育テレビでニキリンコがアスペルガー症候群として紹介された。
「なんだこいつは!こんな事が許されるのか!こんな偽物がなんで自閉症なんだ!
20年以上も前にNHKでドキュメンタリーで自閉症を取り上げた先輩の仕事を見てないのか!」
私は、怒りに燃え、自ら診断を受ける意志を示した。
そして、そこで見た自閉症協会の機関誌の一文に目が引きつけられた。
○ニキさんが「自傷」でストレスに対応している部分を見て我が子が取り入れ、手を傷だらけにするのを見るのは何とも言い難い複雑な気持ち。(東京・母)
以前からずっと思っていて最近富みに思いますが、
「自閉症者は感覚過敏があるから物事の判断がそれに気をとられて狂う」
というように言われているような気がするのですが…中枢性の統合に問題があるから感覚の統合にも問題がある、というのは分かるのですが、だからそれが一番の原因でないでしょう。
続き:現に私は感覚過敏はありません、強いて言うなら共感覚があって音を視覚で捉えるので頭の中がグラフィックビデオが流れているような状態ですが、別にそれで判断が狂うということはないです。
そのため説明しながら細かい手作業をする、ということは結構きついですけどね、画像が混ざるので。
中枢の統合性の問題ってもっと違うものだと思うけど、どうもニキリンコはそこの面だけ強調している感じがするんですよ、だからこうなんだよ、って。
ニキリンコはCentral Coherenceなんて理解していない、又は考えたこともないのではないでしょうか。
単に、自閉症=感覚過敏、だから自分が感覚過敏があることをことさら大げさに強調して本物らしく見せているだけ、
という気がしてなりません。
ちなみにわたしも自分では感覚過敏と理解しているものは特にありません。
眩しすぎるとか、うるさすぎる特定の音域・音質、いやな感触などはありますが、
生まれてからずっとこうなので異常とは考えていませんでした。
他者と比べないとわからない類のものでしょうし、自分が他者の感覚を経験することなしに比べることもないでしょう。
ただトイレに関しては、未だに周囲があきれるような面がありますので、きっと何か感覚に異常があるのだと理解しています。
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