北朝鮮の核問題を巡る6者協議の日本首席代表、斎木昭隆・外務省アジア大洋州局長は7日北京に入り、中国代表の武大偉外務次官と会談した。ニューヨークでの米朝協議を踏まえて6者協議を早期に再開し、核申告の検証手順の文書化をめざすことで一致した。
会談後、斎木氏は「試料採取や検証対象の範囲など、検証のあり方について日本の考えを詳しく伝えた」と記者団に語った。中国側から次回協議の日程案は示されなかった。日本側協議筋は、北朝鮮が米新政権の出方を見極める可能性もあり、「年内の6者協議開催は難しいのではないか」との見方を示した。
日本側は米政府が先月公表した北朝鮮との検証合意について「北朝鮮がひっくり返すのでは」(外務省幹部)と警戒している。米朝間の認識のずれについて、ほかの関係国も懸念しており、斎木氏は議長国として慎重に対応するよう武氏に求めたとみられる。(玉川透)