鳥取県米子市から77年に北朝鮮に拉致されたと政府が認定した松本京子さん(当時29)が今も北朝鮮国内の貿易会社で働いていることを示す新情報が寄せられたとして、兄孟(はじめ)さん(61)が7日、政府の拉致問題対策本部に早期救出を要請した。松本さんとみられる女性が先月、本人しか知り得ない内容の伝言を関係者に託してきたという。
情報を入手したのは、北朝鮮による拉致を調べている特定失踪(しっそう)者問題調査会(荒木和博代表)。中朝貿易をしている中国人男性から「松本さんとみられる女性が北朝鮮の貿易会社にいる」との情報が寄せられたことから、同会が松本さん本人であることを示す証拠を入手してほしいと依頼。中国人男性と連絡をとりあって写真などの入手を試みるなかで、10月中旬、中国人男性がこの女性から「いなちゃんによろしく」という伝言を託されたという。
同会と孟さんが、松本さんのかつての知人・友人に該当者がいるか調べたところ、松本さんの同期入社の同僚女性が「稲田さん」で、「いなちゃん」「京ちゃん」と呼び合っていた。