(cache) 高野ひできの岩槻発　ときどき新報　　　　『行雲流水』岩槻区慈恩寺で叱られた。

2008-09-05 Fri 23:28

あるブログに書き込みをしたらお叱りをいただいた。たぶん、自分を市議会議員だと名乗ったことと、若干の意見を述べたのが、お気にさわったらしい。その点は、重々お詫び申し上げた。

それより重要なのは、このお叱りが、岩槻区の決して少なくない意見の一部を代弁されていることだ。まずは、書き込まれたお叱りを紹介しよう。

(以下、書き込み)
小泉の口車に乗せられてさいたま市との合併を阻止できずに

市民ひとり当たりの市債が増え、市民サービスが改悪されるばかりの岩槻区
そんな流れを変えることができるなら政治活動をするのも結構ですが
古くからの住民の思い出話に愚鈍な政治の話を持ち込まないで貰いたいですね

治水云々もこの地域に住んでから言ってみろ！
ふるさと創成の１億もどこに潜ったか解らない使い道で
結局親水公園は浸水公園になっている

だれかか聞きかじった昔話ではなく
生の声を聞かずに政治はできないよ！
むろんネットで政治活動をしようなんて以ての外　(原文ママ)

以上が書き込まれたお叱りである。自分としては、政治活動をしようなどとは思ってもいなかったのだが、そう感じられたのなら、誠に申し訳なくあやまった。

たぶんこの方は、岩槻区の慈恩寺地区に所縁のある方なのだろう。慈恩寺地区は、岩槻でも春日部との市境に位置する場所。合併の際には、合併反対か、春日部市との合併を望まれる方が多かった地区である。

以前このブログで、コミュニティーバスの小溝延伸の問題を取り上げたときにも書いたが、それは当然の感情だったろう。誰も端っこなどになりたくはない。だからこそ、少しでも慈恩寺の地区の問題を市政に届けようと自分では、がんばってきたつもりである。

今回は、慈恩寺についての自分の意見を述べさせていただくいい機会でもあり、若干の誤解もあるようなので取り上げさせていただいた。

ご指摘の市債の市民一人当たりの発行額が、合併前より若干増えているのは確かである。

旧岩槻市は市債の市民一人当たりの発行額は、合併前の平成16年度決算ベースでで29万1000円だった。これが、18年度のさいたま市では、30万9千円、約1万8000円増加している。

しかし、これは、社会資本整備のためにおこなっていることでもある。

特に岩槻は社会資本整備が遅れていることもあり、多くお金がつぎ込まれている。そんな中、岩槻の時代では到底なしえなかった事業も進んでいるのだ。

たとえば、昨年架け替えられ、相互通行が可能となった岩槻と見沼区を結ぶ妙見橋。岩槻の時代にはついぞできなかったものが、合併したことによってできた。

金額で大きいのは、岩槻に残されていた水道の石綿管の取り換え工事である。古い石綿管は、健康に悪影響がある可能性があるために、取り換えなければならなかったのだが、旧岩槻の財政力では着工できなかったのだ。

これをさいたま市は、合併直後の平成１８年度から４年計画ですぐに着手。総延長約６万メートルの取り換え工事が、現在も４年計画で進められている。

これにかかる費用は、全体で４９億６２００万円。これは、石綿管の残っていた岩槻だけにかかる費用である。

そして、この先の岩槻区のことを考えれば一番大きいのは地下鉄７号線の延伸問題であることは言うまでもない。

この延伸には、全体で約７８０億円の金が必要になる。さいたま市の負担額も相当なものになる。

この負担は、当然、旧岩槻市では負担しきれなかったはずだ。そういった意味からも合併は、岩槻にとって生命線だったとぼくは思っている。

ちなみに昨年のさいたま市の財政状況は、１７ある政令市の中ではトップの健全度を誇っている。

ご指摘の市債についても政令市の平均は、市民ひとりあたり約７４万円であるのに対して、さいたま市は３０万９０００円と半分以下。これも政令市のなかではダントツに少ないトップの状況であることを是非ご理解いただきたい。

市債というものは当然ながら、単に発行額の多寡だけで判断すべきものではないとぼくは思っている。

次に親水公園についてだが、おっしゃっていることはよくわかる。実際の水害ではたいした役に立っていないのも事実だろう。自分も大雨が降るたびに現場に出かけ、この目で確認するようにしているのでよくわかる。

この対策についてぼくは、慈恩寺観音と玄奘塔の間の土地に観光促進のための公園をつくり、その中に水害対策のための新しい親水公園をつくるべきだと思っている。

水害が起こる地域にいると、自分のところだけと思われることはよくあることだが、さいたま市全体をみれば、慈恩寺以外にも水害対策が必要な場所はいくつもある。

順番を待っていたらいつになるのかわからない。で、あるからこそ、今注目されている観光事業と抱き合わせて水害対策を進めるべきだと考えた。それぐらいのことをしなければ、たぶん早い解決などできないだろう。

実際、昨年６月の議会でもぼくはこのことを取り上げて一般質問をしている、この内容は市議会のホームページでご確認いただければと思う。

それから昔話とおっしゃっているのは、たぶん終戦記念日にぼくがブログに書いた慈恩寺玄奘塔の「へそ地蔵」のことかと思う。

あの話は確かにお地蔵さんを建てた村上さん(故人)にお話を伺って書いたものだが、なにぶん昔の話なので話を伺って書く以外方法がなかったので、その点ご理解いただきたいと思う。

生の声に耳を傾けろというご指摘は、そのとおりだと思う。そのためにもあのコミュニティーにお邪魔したのだが・・・。これからも慈恩寺だけでなく市民の皆さんの声を聞き続けることをお約束したい。

追記

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