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ミュージカル 『レ・ミゼラブル』 あらすじ [レ・ミゼラブル]

公式サイトに今回はあらすじが載っていなかったので、紹介を兼ねて、ミュージカル版のあらすじを載せてみることにしました。

舞台は19世紀初めのフランス、貧困・犯罪などの社会悪によって悲惨な状況に在るひとびとを描いた物語――というと難しそうですが、全編歌に乗せて描き出されるのは、社会的な問題だけではなく、ひととひととの関わりや想いといった、ごく身近な感情が中心。だからこそ、国も時代も宗教も違う日本で、再演を重ね、名古屋公演最終日には上演2100回、来年には日本公演20周年を迎えるほど愛されているのでしょう。
ちなみに、一般的にイメージされる「ミュージカル」ほど煌びやかなシーンやダンスなどの華やかさはありませんが、逆にミュージカルに抵抗があるひとにも馴染みやすいのではないかと思います。楽曲に力があり、フレーズに意味があり、ミュージカルだからこその楽しみも多い作品。「ミュージカルといったら突然歌いだしたり踊りだしたり、私はちょっと……(-_-;;」というひとにこそ観てほしい舞台です。

主要人物はジャン・バルジャン、ということになっていますが、脇役1人1人にまで物語があり、誰もが主役になりうる舞台でもあります。お気に入りの人物・役者さんを見つけて、彼/彼女に感情移入して観るのもまた一興。いろんな楽しみ方の可能な、懐の深い(笑)作品です。

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□ プロローグ

 1815年、ツーロン。パンひとつ盗んだ罪で牢獄に入れられたジャン・バルジャンは、仮出獄の許可を得て19年ぶりに外の世界へ出るが、仮出獄許可証のせいで不当な目に遭う。飢え、凍えるバルジャンに救いの手を差し伸べたのは、一人の司教。パンとワインを与えた司教をしかしバルジャンは裏切り、銀の食器を盗んで逃げる。町の人々に尋問されるバルジャン。そこに現れた司教は人々に、食器は自分が彼に与えたもの、と説明し、さらにバルジャンに銀の燭台を手渡して正しい道をと諭す。自分の犯した罪を悔やむバルジャンは、仮出獄許可証を破り捨て、新しい自分となって生まれ変わることを誓う。

□ 第一幕

 1823年、モントルイユ・シュールメール。工場で働くファンティーヌ。父親のいない娘を田舎の宿屋に預け、仕送りのために働く日々だったが、妬んだ同僚といざこざを起こしてしまう。今や市長となったバルジャンが止めに入るが、後を任された工場長の裁きにより工場を首になり、娼婦に身をやつす。しかし、そこでも客といざこざを起こしジャベールに逮捕されそうになるところを、事情を聞いたバルジャンに救われる。
 街で馬車の事故が起こり、一人の男が下敷きになる。持ち前の怪力を発揮してその男を救ったバルジャンは、それを目撃したジャベールから、ある男がバルジャンとして捕らえられ、明日裁かれることを聞かされる。名乗るか名乗るまいか悩むバルジャン。しかし彼は裁判所で自らがバルジャンであると名乗り、ファンティーヌの眠る病院へ急ぐ。死の床にあるファンティーヌは、バルジャンに娘・コゼットのことを頼み息を引き取る。そこに現れたジャベール。バルジャンはコゼットのため3日の猶予を願うが、ジャベールは聞き入れず、相対する。バルジャンは力でジャベールに勝り、再び逃亡する。
 悪どい商売で小銭を稼いでいる田舎宿屋のテナルディエ夫妻。自分の娘のエポニーヌは可愛がるが、預かったコゼットはボロを着せて召使扱い、夜の森へ水を汲みに出す。そのコゼットと森で出会ったバルジャンは、テナルディエ夫妻に1500フランを渡してコゼットを引き取る。

 1832年、パリ。貧しい民衆たち。彼らの中から立ち上がった学生たちは、革命を起こそうとしていた。その貧民街で詐欺まがいをしながら生活するテナルディエ一派、娘のエポニーヌは学生の一人、マリウスに恋心を抱いている。しかしそのマリウスは、テナルディエが狙った男の娘に恋をする。その父娘がバルジャンとコゼットだと気付くテナルディエ、彼らの争いの場に、テナルディエを捕えるべくジャベールが現れる。彼の名を聞いてその場から消え去るバルジャンとコゼット。テナルディエに男がバルジャンであることと知らされたジャベールは、彼を必ず捕えることを誓う。
 学生たちの革命への準備は進む。遅れて現れたマリウスは、コゼットへの恋心を打ち明けるが、リーダーであるアンジョルラスに諭される。そこに、彼らの希望であるラマルク将軍死亡の知らせが入る。学生たちは葬儀の日の革命に向け、民衆を仲間にと街へ出る。
 その人波からマリウスを連れ出したエポニーヌは、彼をコゼットとバルジャンが住む家の前へ連れて行く。バルジャンと共に転々とする生活を送るコゼットは、バルジャンに事情を問おうとするが答えてもらえない。バルジャンが去った庭に、門を越えたマリウスが現れる。愛を誓う二人、その門の外にはバルジャンから金を奪おうとテナルディエ一派が現れる。二人をかばって悲鳴を上げるエポニーヌ、駆けつけるバルジャンに、マリウスとエポニーヌは姿を消す。バルジャンはジャベールに居場所を発見されたと誤解し、再び旅に出る支度を始める。
 来るべき革命の日、旅立ちの日、愛する人のこと、守るべき人のこと、己の人生、それぞれが自分の居場所で、明日へと思いを馳せる。

□ 第二幕

 学生たちの革命を阻止すべく、民衆の輪に紛れ込んだジャベールは、敵の偵察を買って出る。バリケードを築く輪の中に少年に扮したエポニーヌを発見したマリウスは、コゼットへの手紙を彼女に預ける。バルジャンとコゼットの住む屋敷へ向かうエポニーヌ。現れたバルジャンに手紙を預け、エポニーヌは想いの報われぬわが身を思う。そして、マリウスからコゼットへの手紙を読んだバルジャンは、バリケードへ向かうことを決意する。同じ頃、戦いに向けて着々と砦を築く学生たちのもとに、ジャベールが帰ってくる。偽の情報を伝えるジャベールだが、少年兵ガブローシュに正体を見破られ、捕らわれの身となる。そこに、銃声。砦を越えて入ってきた少年は、負傷したエポニーヌだった。マリウスに抱かれ、息を引き取るエポニーヌ。学生たちは決意を新たにする。
 その砦に、今度は敵の老兵が現れる。カモフラージュのため敵の軍服を身に着けたその男は、バルジャンだった。ジャベールと同じスパイと疑われるが、すんでのところで敵の攻撃が始まり、活躍したバルジャンは学生たちの信頼を得る。その報いにジャベールの身柄を引き受けるバルジャン。ジャベールは復讐を覚悟するが、バルジャンはロープを切り、銃殺したふりをしてジャベールを逃がす。
 学生たちは交替で見張りにつき、夜明けの攻撃に備える。エポニーヌを亡くしたマリウスを気遣うアンジョルラス。バルジャンはその青年がマリウスであることを知り、彼が救われることを祈る。しかし、夜明けが近づいても市民は味方に来ない。学生たちは裏切られたことを知るが、それでも戦い抜くことを誓い、女たちを去らせて砦に立てこもる。そして、攻撃。敵の銃弾に対し、砦には弾丸が足りない。砦を越えて敵の死体から弾を取ると云い出すマリウス、止めるアンジョルラス、その役を買って出るバルジャン。しかしその隙に、ガブローシュが外に飛び出し、集めた弾丸を砦に投げるが、戻れず敵の銃弾に倒れる。なおも続く敵の攻撃に、マリウスが倒れ、アンジョルラスが斃れ、そして学生たちが命を散らしていく。

 静けさの訪れたバリケード。負傷して意識を失っていたバルジャンは、瀕死のマリウスに息があることを神に感謝し、彼を下水道へ運び入れる。その頃下水道では、テナルディエが死体荒らしの真っ最中。世界を見放した神に呪いの言葉を吐きながら、学生の死体から金目のものを取り上げ、死体のように眠るマリウスから指輪を奪う。が、マリウスを運び入れた男がバルジャンだと気付いて、そこを立ち去る。目を覚ましたバルジャンは再びマリウスを担ぎ上げ、下水道を彷徨い始める。その頃、バリケードに現れたジャベールは、死体の中にバルジャンの姿がないことを知り、見渡した砦の下水道の蓋に人が去った痕跡を見つける。しかし、下水道の蓋はジャベールの力では持ち上がらない。別の道から下水道に向かうジャベール。そして。
 マリウスを抱えたバルジャンとジャベールが再び相見える。バルジャンを捕えようとするジャベール。マリウスを救いたいと猶予を請うバルジャン。睨みあい、折れたのはジャベールだった。立ち去るバルジャンを見送ったジャベールは、捕えるべき敵に救われ、敵を見逃した己の矛盾に葛藤する。行く手を見失ったジャベールはやがてセーヌ川の橋の上に辿り着き、そこから渦へと身を投げる。

 学生たちの砦はたった一晩で崩れ落ちた。貧しい者たちの貧しい暮らしは変わらず続く。悲嘆に暮れながらも、それを受け入れて人々は生きる。
 無人になったカフェで友人たちを想うマリウス。彼の怪我は、コゼットの看病で癒え始めていた。愛を確かめ合うマリウスとコゼット。二人の様子を見守るバルジャンは、自分の役目が終わりに近づいていることを悟り、マリウスに過去の罪を告白する。引き止めようとするマリウスを振り切り、コゼットに告げぬよう云い置いて、バルジャンは二人の前から姿を消す。

 マリウスとコゼットの結婚式。披露宴に、テナルディエ夫妻が男爵に化けて現れる。マリウスに見破られると、テナルディエはバルジャンの秘密を売りに来たと云う。マリウスが出した金を受け取り、テナルディエはバルジャンが人殺しだと語り始める。砦の落ちた日、死体を担いでいたバルジャン、テナルディエはその死体から奪ったという指輪をマリウスに見せる。マリウスはそれを見て、自分を砦から助け出したのがバルジャンであると知り、コゼットを連れてバルジャンの元へ駆ける。
 その頃バルジャンは一人、命尽きようとしていた。迎えに来たファンティーヌに手を差し伸べかけたところに、駆け込んできたコゼット。バルジャンは自分の罪が赦されたことを神に感謝し、コゼットに自分が父でないことを告げ、息を引き取る。コゼットとマリウス、そして主の国に迎えられたファンティーヌやエポニーヌ、アンジョルラスらに見守られながら。


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めるも

おはようございます。中学三年生の女子ですヽ(・ω・o)ノ

レ・ミゼラブルのあらすじ読ませていただきました♪
ご自分で全部書かれたのですか??
それにしてもわかりやすくて良いあらすじだと思いました。
ありがとうございます(人´∀`o)☆・゜:*:

中一の頃、母に勧められて本を読みました。
だけどすっかり内容を忘れてしまったもので・・・
9月8日に劇団四季の講演を見に行くので、その前に
話を思い出しておこうと思ったのです(o・ω・人o)
その日のジャンバルジャンは山口祐一朗さん(全く知りませんが)で
テナルディエの妻が森公美子さんです+゜。(*´∀`*)+
楽しんできたいです♪

また観劇のご感想を楽しみにしております。
また来ますヾ(*・∀・*)゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*
by めるも (2007-08-29 06:13) 

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