【ロンドン=清水泰雅】鉄鋼世界最大手のアルセロール・ミタル(ルクセンブルク)は5日、2008年10―12月期の粗鋼生産を7―9月期に比べ35%削減する方針を明らかにした。9月時点では15%の減産と発表していたが、世界的な景気後退で鉄鋼需要が急減しているため、減産幅を拡大する。新日本製鉄やJFEスチールも減産に動いており、世界の鉄鋼大手の間で減産が広がってきた。
自動車などに使う主力の薄板を北米で35%、欧州で30%減産するほか、建築用の棒鋼なども3割以上減らす見込み。これまで需要をけん引してきたアジアやアフリカなどでも35%程度減産する。10―12月期の粗鋼生産は前期より900万トン少ない2000万トン前後になる見込み。工場の稼働率は65%を切るとみられる。
(05日 23:46)