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長期学習者は英語を省エネ脳で理解 文法中枢調べ判明

2008年11月6日13時44分

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 東京大、宮城学院女子大などのグループは、英語を学ぶ際に重要な働きをする脳の部位を突き止めた。英語力を定着させるには、短期間での習得よりも、6年以上続けて英語に接する方が重要なことがわかった。米脳科学誌電子版に発表される。

 東京大の酒井邦嘉准教授(言語脳科学)らは、中高生に英文を見せて文法の正しさを判断してもらい、その際の脳活動を調べた。すると、母国語である日本語を理解するのに使われる左脳前部の「文法中枢」と「文章理解の中枢」と呼ばれる部位が、英文を判断するときに日本文のときよりも、より盛んに活動することがわかった。

 また、習熟期間の違いについて検討。英語の学習期間が1年以上6年未満の短期習得者と、6年以上学習を続けている長期習得者を比べた。すると、短期習得者は文法中枢の活動が盛んな人ほど成績がよく、長期習得者は逆に活動が低いほど成績がよかった。

 この結果、短期習得者は英文を理解するために文法中枢に蓄えた知識を総動員しなければならないが、長期習得者は文章を理解する回路がすでにできあがりスムーズに思い出せるようになっていることがわかった。熟練により英語力が定着すると、省エネ型の脳になるらしい。(鍛治信太郎)

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