「日本の専門医制度は法的裏づけが必要」―国際医療センター・桐野総長
「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究」(班長=土屋了介・国立がんセンター中央病院長)の第3回班会議が11月6日、東京都内で開かれた。今回は、日本学術会議の会員で、国立国際医療センターの桐野高明総長が、同会議が今年6月にまとめた要望書の内容を説明した。この中で桐野総長は、「日本の医療には専門医制度の確立が必要で、そのためには制度を認証する専門医制度認証委員会を法的な裏付けで設置することが重要だ」と強調した。
【関連記事】
臨床研修見直しで議論開始、年内に結論
臨床研修制度で医学部生と指導医の意識調査を―舛添厚労相
医師研修、「ゆとり教育」からの脱却を
舛添厚労相「指導医の評価手法を」
用語解説「臨床研修制度(新医師臨床研修制度)」
要望書では、省庁の枠を超えた、強力な「医療改革委員会(仮称)」を設置し、▽医療費抑制政策の転換▽病院医療の抜本的な改革▽専門医制度認証委員会の設置―の3項目を同委員会で審議することを政府に求めた。
専門医制度認証委員会については、専門医制度を抜本的に見直し、新制度を作るために早急に設置が必要だと訴え、今後10年以内に新しい専門医制度の整備が完了を目指すとした。
また、桐野総長は今後の医師組織の在り方について、「全医師が加盟する自律的専門職能集団の設立が不可欠で、専門医制度を担当するのは、学会などの利害関係から離れた組織で、専門医の数と分布を制御しなければならない」との私見を述べた。
質疑応答の中で、班員の北里大の海野信也教授は「専門医の数と分布の制御」について詳細な説明を求めた。桐野総長はそれに対し「(医療の)質の保証が専門医制度の根本にある。物とは違って、医師は一定の症例数がなければ、質の裏付けができない。症例数というのは、人口の多いところには多いし、少ないところは少ない。どれくらいの若手が養成できるかは、必然的に計算できるはず。専門医制度の質の保証を約束すれば、当然、数の制御は必要だ」と述べた。
次回の班会議は11月18日に開かれる予定。
更新:2008/11/06 22:22 キャリアブレイン
新着記事
「日本の専門医制度は法的裏づけが必要」―国際医療センター・ ...(2008/11/06 22:22)
国民会議の報告「希望持てない」―日医(2008/11/06 14:05)
病院との連携と質の担保がカギに−救急相談センター(2008/11/06 13:33)
注目の情報
PR
記事を検索
CBニュース会員登録メリット
気になるワードの記事お知らせ機能やスクラップブックなど会員限定サービスが使えます。
一緒に登録!CBネットで希望通りの転職を
プロがあなたの転職をサポートする転職支援サービスや専用ツールで病院からスカウトされる機能を使って転職を成功させませんか?
【第35回】川合秀治さん(全国老人保健施設協会会長) 介護報酬改定の議論が白熱する中、全国老人保健施設協会(全老健)会長で、社会保障審議会介護給付費分科会の委員も務める川合秀治さんは、「2−3%上げても意味がない。減額される前の水準に戻してから議論すべき」と主張する。そのためには、予算を大胆に組み替 ...
日原診療所(島根県津和野町)の須山信夫院長は、大学病院から中小病院、診療所と、これまで3つのステージで医療に携わってきた。高齢者が多かったり、大学病院時代に診療した経験のない小児科の患者がやってきたりと、地域医療に携わり始めた当初は大学病院との違いに戸惑ったというが、今では地域ならではの面白さも感 ...
WEEKLY
もし、病院の印象を劇的に変えることができるとしたら。今回は、そんな夢のようなことを現実にしてしまう「インプレッショントレーニング」をご紹介します。