東京都立墨東病院(墨田区)などに受け入れを拒否された妊婦が死亡した問題で、都周産期医療協議会(会長、岡井崇・昭和大医学部教授)は5日、墨東病院の当直が1人になる日は他の総合周産期母子医療センターが代わりに妊婦搬送を受け入れる「墨東当番」の導入を決めた。
受け入れ拒否時に産科当直が1人しかいなかった墨東病院は10月末、11月の休日当直を「可能な限り2人体制にする」と発表した。しかし、新たな医師は確保できず、5日間は終日あるいは日中が1人当直となる見通し。
協議会ではこの時間帯について、都内にある別の八つのセンターが代わって対応することで一致。輪番制とし、8日にも導入する。
都内では既に、センターが杏林大病院しかない多摩地区をカバーする「多摩当番」が導入されているが、墨東病院はこの当番から外すことも決まった。協議会に出席した墨東病院の小林剛院長は「墨東病院のある地域は分娩(ぶんべん)数が多いのに施設数が少ない。隣接する千葉、埼玉からも患者がかなり入ってくる。本当にぎりぎりの状態」と理解を求めた。【須山勉】
毎日新聞 2008年11月6日 東京朝刊