柳川市出身の詩人北原白秋と縁が深い韓国の詩人金素雲(1908‐81)の長男仁凡(インボム)さん(59)がこのほど、同市の北原白秋生家・記念館を訪れ、素雲の直筆遺稿や韓国の文化勲章レプリカなどを寄贈した。仁凡さんは「白秋先生がいなかったら父の活動はなかった。これからも日韓の文化交流が続くことが父の願いだと思う」と話した。
石田宝蔵市長が5月に仁凡さんを訪れて来日を呼び掛けていた。同館は石田市長が訪問の際に譲り受けた素雲愛用の万年筆、白秋が素雲のために文芸関係者を招いて開いた宴会の写真など15点を展示している。
12歳で来日した素雲は朝鮮民謡の収集や日本語訳を行って「朝鮮民謡集」などを出版し、日韓の文学界に大きな足跡を残した。白秋は素雲の才能を見いだし、文壇に送り出すため尽力した。
=2008/11/06付 西日本新聞朝刊=