航空自衛隊の田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長が、民間企業主催の懸賞論文に応募して更迭された問題で、田母神氏以外に現職自衛官78人が同じ懸賞論文に応募していたことが防衛省の調査で明らかになった。これまで50人以上が応募したとみられていた。内容に問題がないか確認する。
防衛省によると、78人は全員が航空自衛官。階級別では1尉など尉官が64人で最多。1佐など佐官が10人、下士官が4人だった。また、うち62人が小松基地(石川県)に司令部がある第6航空団所属で全体の8割近くを占めた。空幕の教育課が全国の各部隊にファクスで応募要領などを送ったという。
懸賞論文を主催した総合都市開発「アパグループ」(東京都港区)代表の元谷外志雄氏は、小松基地を支援する民間組織「小松基地友の会」の会長をつとめている。
空自の内規では、職務に関する意見を発表する際、上司に届けることを求めているが、いずれも届けていたという。田母神氏は3日の記者会見で、他の自衛官が論文に応募した点について「紹介はしたが、『書きなさい』とは言っていない」と話していた。【本多健】
毎日新聞 2008年11月6日 東京夕刊