モスクワ――米国が東欧に配備を計画するミサイル防衛(MD)に強く反発するロシアのメドベージェフ大統領は5日、対抗手段としてバルト海に面する同国の飛び地、カリーニングラード州に最新型の短距離ミサイルを配備するとの計画を明らかにした。
AP通信によると、年次報告演説で表明した。配備数や核弾頭搭載なのかには触れなかった。同州は北大西洋条約機構(NATO)に加盟するポーランド、リトアニアに接する。米国はMDで、ポーランドにミサイル設置、チェコにレーダー基地を予定する。
大統領はまた、MDの作戦実施を妨害する電子関連装置も配備することを明らかにした。MD阻止に海軍戦力も動員すると言明したが、具体的な手段は不明。
メドベージェフ大統領は演説で、米大統領選での民主党のオバマ氏勝利に関連し、MD問題などで悪化した米ロ関係の改善策に努力することを期待すると指摘。オバマ氏当選の祝意は表明しなかった。
ロシアはMDが自国の防衛力を低下させると批判、米国はイランなどによるミサイル脅威への対抗が主目的と反論している。米ロ間で妥協策をこれまで模索しているが歩み寄っておらず、ポーランドがMD導入に踏み切るなど計画は一応進展している。チェコにはMDのレーダー基地が建設される。