アトレティコ、不運のPKでリバプールに引き分け=欧州CL

 アトレティコ・マドリーのUEFA(欧州サッカー連盟)に対する恨みはつのるばかりだ。ビセンテ・カルデロン・スタジアムでの無観客試合という制裁に引き続き、チャンピオンズリーグ(CL)グループリーグでのリバプールとの2試合でも“不公平なジャッジ”の犠牲になったからだ。第3節のホームゲームでは、キーンのオフサイドポジションからのゴールが認められたが、今回の第4節ではマスチェラーノとキャラガーのハンドが無視された。そして、とどめは後半ロスタイム、ペルニアのジェラードへのファウルだった。アトレティコは1−0とリードしながらも、ロスタイムのPKで同点に追いつかれたのだった。

 試合はキックオフ前から白熱していた。「You'll Never Walk Alone」のテーマがスタジアムに流れると、スタンドは熱気に包まれた。そう、この試合でリバプールが1人で歩くことは決してなかった。常に主審と副審の“助け”を得ていたのだから。
 アギーレ監督はアグエロをスタメンから外し、ペレアとハイティンハとともにアスンソンを起用、ジェラードへの警戒態勢を敷いた。この守備戦略は的を射ていた。トーレスを欠くリバプールは、ことごとく相手DFの壁にぶつかり、得点を奪えないでいた。アトレティコがアゲルとキーンのシュートに脅かされる一方で、ペルニアからパスを受けたシマゥンは決定的なゴールチャンスを逃してしまう。

 リバプールは、シャビ・アロンソを軸に執ようなプレスをかけた。キーンは幾度もGKレオ・フランコに立ち向かったが、最後の最後でシュートを阻まれる。レオ・フランコの守るゴールが包囲されるアトレティコだったが、攻撃では一瞬のチャンスを逃さなかった。37分、右サイドから攻め上がってきたアントニオ・ロペスが中央へ正確なパスを送ると、これをペナルティーエリア内でしっかりコントロールしたマキシ・ロドリゲスが先制ゴールをたたき込む。

 後半は前半と同様の展開となった。後方からカウンターのチャンスをうかがうアトレティコに対し、リバプールはボールポゼッションで優位に立つ。アトレティコは60分、フォルランがクロスを入れると、リバプールのMFマスチェラーノが手で阻止。アトレティコはその数分後にも、フォルランに代わって入ったアグエロがクロスを入れるが、今度はリバプールDFキャラガーが手を伸ばしてこれを防ぐ。しかし、ハンソン主審はこの2回のハンドに目をつぶった。そして九死に一生を得たリバプールは、その後ゴールチャンスを作り、アゲル、ジェラード、キャラガーが立て続けにシュートを放つが、いずれもGKレオ・フランコに妨げられた。

 1点のリードを守り切れば、歴史的勝利を収められたはずのアトレティコ。しかし、ほとんど中断のなかった後半にしては長すぎる「5分」という数字が、ロスタイムとして掲示された。そして最後の1分。アトレティコのペナルティーエリア内でジェラードとペルニアがボールを争って接触すると、主審はホイッスルを鳴らさなかったが、副審がPKを宣告。これをジェラードがしっかり決め、1−1でゲームは幕を閉じた。CLの試合では、選手以外のキャストによって結果が左右されることもある。そんな現実を見せつけられた一戦だった。

(C)MARCA.COM

[ スポーツナビ 2008年11月5日 12:02 ]

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