年内に周産期医療体制の強化で提言―厚労省懇談会が初会合
東京都内で妊婦が8病院に受け入れを断られた後に脳内出血で死亡した問題をきっかけに設置された、厚生労働省の「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」の初会合が11月5日、省内で開かれた。冒頭、舛添要一厚労相は「12月までに集中的な審理を行い、周産期の地域医療体制の強化を図りたい」とあいさつし、年内に提言をまとめる方針を示した。
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この懇談会は、日本産科婦人科学会が10月末、舛添厚労相に緊急提言したことを受け、急きょ開催が決定された。
委員は救急医療や周産期医療に携わる医師や大学教授、「知ろう!小児医療 守ろう!子ども達」の会の阿真京子代表ら12人で、座長には昭和大医学部産婦人科学教室の岡井崇主任教授が選ばれた。
初会合では、各メンバーが現在の周産期医療体制について意見を述べた。
この中で、愛知県岩倉市にある大野レディースクリニックの大野泰正院長は、周産期医療の情報システムについて、「愛知でも情報システムを持っているが、(現場の医師は)ホームページを開いてログインする余裕はない」と訴えた。
一方、大阪府立母子保健総合医療センターの藤村正哲総長は、「大阪では原則として、(救急の)電話を受けた所が情報センターに連絡して、情報センターが(受け入れ先の病院を)探してくれる」と実績を説明し、「いかにシステムを動かすかを考えるべきだ」と強調した。
舛添厚労相は問題点や今後の課題として、▽周産期医療センターの在り方▽地方の医療ネットワークのつくり方▽NICU(新生児集中治療管理室)の在り方▽情報システムにおけるIT技術の活用―の4つを挙げ、次回以降の会合で議論したいとした。
懇談会の委員は次の通り。
阿真京子・「知ろう!小児医療 守ろう!子ども達」の会代表▽有賀徹・昭和大医学部救急医学講座主任教授▽池田智明・国立循環器病センター周産期科部長▽海野信也・北里大医学部産婦人科学教授▽大野泰正・大野レディースクリニック院長▽岡井崇・昭和大医学部産婦人科学教室主任教授▽嘉山孝正・山形大医学部長▽川人正人・青梅市立総合病院救命救急センター長▽杉本壽・大阪大医学部救急医学教授▽田村正徳・埼玉医大総合医療センター総合周産期母子医療センター長▽藤村正哲・大阪府立母子保健総合医療センター総長▽横田順一郎・市立堺病院副院長
更新:2008/11/05 22:39 キャリアブレイン
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