ここから本文エリア マンガ表現の「偏見」知って 中央区で講演2008年11月03日 マンガの表現から差別問題を考えようという講演会「マンガとじんけん」が、大阪市中央区役所で開かれ、講師を務めた京都精華大学マンガ学部准教授の吉村和真さん(37)は「マンガに潜む『偏見』を知ることで差別について考えるきっかけになる」と語った。 同区人権啓発推進協議会の主催。吉村さんは「マンガは多くの固定化されたイメージにあふれている」と、石ノ森章太郎さんの作品「サイボーグ009」を例に挙げ、説明した。背の低い料理人の中国人や寡黙で大柄なアメリカ先住民に対し、西洋人はスマートに描かれていて、人種に対するイメージが特徴的に表現されているという。 また、「めがねをかけている人」は「賢い」、「標準的体形で標準語を話す人」が「ヒーロー」など、作品を読まなくても役回りがわかるほど、気づかないうちにイメージが刷り込まれているという。 吉村さんはマンガの性質上、誇張や省略はさけられないとした上で、「現実は固定化されたイメージ通りではない。なぜ、マンガのイメージを当たり前に思うのか考えてほしい」と語った。大阪市港区の河野和美さん(43)は「マンガから偏見が刷り込まれるとは驚きました。帰宅したら娘にどう感じるか聞いてみたい」と話した。
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