「筋トレで脂肪もトレーるニング」
スロートレーニングを行っている教室には、「1年で13キロやせた」「1年で内臓脂肪が60%おちた」など、トレーニングのおかげでやせたと言う人たちがいました。
スロートレーニングのダイエット効果については、現在、研究中でまだはっきりした結論は出ていません。しかし、通常の筋トレのダイエットについては、去年「筋トレに有酸素運動を組み合わせると、ダイエットの効率が高まる」という報告がなされました。
この研究では、筋トレを行った後に自転車こぎ(有酸素運動)を行い、その時、体内で燃えている糖と脂肪の割合を調べました。自転車こぎのみを行った場合、体内で燃えるのは、糖80%に対し、脂肪20%でした。しかし筋トレ後の自転車こぎでは、その燃焼割合が30〜50%程度まで高くなったのです。
なぜ筋トレ後の有酸素運動で、脂肪燃焼が高まるのか?
筋トレをすると、成長ホルモンが出ます。それを追いかけるように、血液中に遊離脂肪酸が増えてきます。成長ホルモンが持つ高い脂肪分解作用によって脂肪が分解され、遊離脂肪酸になるのです。
脂肪は、遊離脂肪酸の状態になると燃えやすくなります。このタイミングで有酸素運動をすると、脂肪が効率的に燃えると考えられています。
また、「筋トレ→自転車こぎ」の順番を入れ替えて、自転車こぎを先に行うと、筋トレで出るはずの成長ホルモンが大幅に減少してしまいました。つまり、「有酸素運動後の筋トレ」は、成長ホルモンが出にくくなるため、筋肉が太くなる効果が薄まってしまうのです。
《有酸素運動で効率よく脂肪を燃焼させる》《筋トレで成長ホルモンをより多く出させる》という2点から考えると、「筋トレ→有酸素運動」の順番がお薦めです。
運動上の注意
- いきなりの筋トレはケガの原因です。必ず準備運動を行ってください。
- 筋トレ後、3時間以内の有酸素運動が、脂肪燃焼を効率よく燃やすために効果的です。
- ウォーキング、ストレッチ、ラクに自転車をこぐ程度の軽い運動で、かつ30分以内であれば、その後の筋トレ時の成長ホルモンの分泌に影響はありません。
- 有酸素運動とは、ウォーキング、水泳、自転車など、軽い負荷の持続的な運動のことです。脂肪を燃焼させるのに効果的です。
※たとえば、ケガ防止のためのウォーミングアップとして有酸素運動を先に行うことをすすめている指導員もいます。何を重視してプログラムを組むかについてはさまざまな考え方があり、番組はそれを否定してはいません。
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