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日雇い派遣禁止…でも登録型はほぼ温存 政府改正案提出(1/2ページ)

2008年11月4日22時37分

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 政府は4日、日雇い派遣の原則禁止を柱とした労働者派遣法の改正案を国会に提出した。非正規雇用対策の柱だが、登録型派遣の規制を見送ったことで、労働者側からは「不十分だ」といった批判が相次ぐ。衆院解散の先送りで民主党が対決姿勢を強めるなか、改正案成立の見通しも不透明な状況だ。

 「こんな建議(改正案の骨格)は粉砕だ!」

 10月9日、NPO法人派遣労働ネットワークなど4団体が作る連絡会が都内で開いた集会で、派遣ネット理事長の中野麻美弁護士が声を張り上げた。集会には派遣労働者で作るユニオンや、派遣で働く若者、野党議員も参加し、与党案に厳しい批判を浴びせた。

 特に批判が強いのは、数カ月単位の細切れ契約を繰り返す「登録型派遣」への規制を見送った点だ。今回の法改正議論でも大きな懸案だったが、結局厚生労働省は「労使双方にニーズがあり、規制は適当でない」と判断。違法行為が続発した日雇い派遣の原則禁止だけにとどめた。

 登録型派遣は、約320万人いる派遣労働者の7割を占め、いつ仕事を失うか分からない不安定雇用だと批判が強い。そのうち日雇い派遣はわずか1万人程度(今年7月時点)で、「登録型」の働き方はほぼ温存される。

 厚労省は登録型の規制を見送る代わりに、派遣元が長期雇用する「常用型派遣」に誘導するため、事前面接の解禁などを盛り込んだ。だが、「派遣は『スキルを売る』のが基本で、面接で選ぶのは趣旨から外れる」(日本労働弁護団)との批判がある。

 派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「今回の改正案では低賃金と不安定雇用は解決しない。登録型の規制など、抜本的改正が必要だ」と話す。

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