市民病院の統合合意　三木、小野市　２０１３年めど　

　三木市と小野市は四日までに、両市民病院の統合に合意し、統合を提案した神戸大医学部に受け入れる意向を伝えた。両市の協議は一月から中断していたが、懸案だった建設地について三木市が市内に固執せず、統合した病院の建設費の財政負担も単独運営を続けるより軽減される面があるなどと両市が判断し、合意に至った。新病院は小野市内に建設し、二〇一三年春をめどに開業したい意向だ。（金井恒幸、佐伯竜一）

　同日の小野市会の全員協議会と三木市会の議員総会で、両市がそれぞれ明らかにした。

　神戸大医学部は昨年五月、五市一町（西脇、三木、小野、加西、加東市と多可町）に公立病院の統合を提案したが意見がまとまらず、同十一月に三木、小野の市民病院に限定して統合を再提案。小野市が「財政負担が巨額で、地元での建設を主張し合う状況では早期実現は困難」とし、協議は足踏み状態になった。

　しかし、利用者減などから三木市民病院の経営が悪化し、一般会計からの赤字補てんが増加。また、三木市民アンケートでは過半数が統合に賛成し、うち六割が「小野市でもいい」と回答した。小野市も医師不足で産科が休止している状況で、医療体制が充実した中核病院の実現に向け両市の思惑が一致し、七月から協議を再開していた。

　十月十四日に両市が合意を神戸大に伝え、同二十八日、同大が地域医療を守る立場からの協力をあらためて表明した。

　三木、小野両市は「統合協議は前向きに進んでいるが、現段階で詳細は差し控えたい」。神戸大は「両市と経営の在り方から協議し、全国から医師が集まるモデル的な新病院にしたい」としている。

　北播磨の中核病院構想　西脇、三木、小野、加西、加東市と多可町の公立病院を統合し、全国の研修医が集まる高水準の医療に取り組む中核病院を整備する。この地域に医師を多く派遣してきた神戸大医学部が派遣困難を理由に昨年５月、５市１町に提案。その後、三木、小野市に限って再提案した。

(11/5 08:44)