◇新人・元職148人、悲鳴
次期衆院選の先送りで、民主党の新人・元職の立候補予定者たちから「年を越せない」との悲鳴が相次いでいる。「11月30日投開票」を前提に態勢を構築した候補がほとんどで、12月以降の活動費用に不安を抱えているためだ。党から公認料を受け取った後、資金の手当てがない立候補予定者もおり、先送りが「兵糧攻め」の状態になっている。民主党はそもそも自民党に比べ新人・元職が多く、対応に苦慮している。【田中成之、渡辺創】
民主党の公認223人、公認内定34人のうち、国から歳費を支給される現職議員は109人にとどまる。歳費がない残りの新人・元職148人には党が活動費を渡している。公認内定段階で毎月70万円を支給。選挙直前に公認に格上げし、1000万円の公認料を支払う。今回は、公認段階で500万円、解散後に残りを支給する予定だった。
この公認組(114人)が選挙先送りで最も影響を受けた。今後、活動費がない状態が続くためで、「500万円を使い切ったらどうなるのか。年明けまでに党に何とかしてもらわないと態勢を保てなくなる」(中部地方の新人)との不安が漏れる。
活動費を受け取る内定候補も苦しく「活動増加で月に80万〜90万円必要。長期戦に耐えるつもりが、実際には吐き出してしまった。来月はどうしようか」(中国地方の候補)とのぼやきが聞かれる。
小沢一郎代表は10月下旬から今月初めにかけ、愛知、岐阜、長野3県の新人候補の事務所約10カ所を抜き打ち訪問した。
1日に訪れた長野の新人候補の事務所では、居合わせた県議に「麻生太郎首相は(解散から)いつまでも逃げおおせられない。油断してはいけない」と年内解散の可能性を指摘。県議から「何といってもふところが苦しい」と直訴されると、「どこに行ってもその話が出る」と打ち明けた。
鳩山由紀夫幹事長は10月31日の記者会見で「基本は自助努力だ」と述べており、苦境は当面続きそうだ。
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