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児童精神科医NINAの診察室をはじめました。
とりあえずはこのblog「La Place de NINA」を読み直しやすくすることがメインの目的となりそうですが,それ以外の情報も徐々に盛り込んでいこうと考えています。
このblog同様,サイトのほうもよろしくお願い致します。
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さて,今日の本題です。
先日,近所のスーパーで元患者さんのお母さんとバッタリ再会しました。
以前私が担当させていただいた自閉症スペクトラムの患者さん,気付けば今年もう高3なのだそう。
「大学受験が迫ってるからストレスためてそうだけど,志望校もだいたい決めたみたいだし,なんとか元気でやってます」という報告がお母さんから聞けてとっても嬉しかったし安心もしました。
彼のようなケースもある一方で,診察室では進路の決まらない患者さんたちにお会いする機会も結構多かったりします。
そんな中でも「○○になりたいけど無理っぽい」みたいなことで進路が決まらないのは稀で,多くの場合は「特に何になりたいとか思わない」「将来のことはわからない」「別に何でもいい」といった返事が返ってくるのです。
そして,「○○になりたい」の部分を詳しく聞いてみると,「お父さんが『公務員はいいぞ』って言ってたから」とか「母が『正看の資格があると有利』って言うから」など,自分の自発的な意思とは関係なく周囲のアドバイスをそのまま取り込んでいるだけだったりして。
「どんな仕事に就くとしても,そこまでの道のりも大変なことがたくさんあると思うけど,大変でも挑戦してみようと思うの?」と問うと,「大変だったらもういいです」と全然執着しないこどもも多くて。
こんな会話をすると,なんだか悲しい気持ちになってしまいます。
想像力の部分がうまくはたらかないから,自分はどんな職業が向いているのかとか,どんな職業なら夢中で取り組めるのかとか,そういうことがなかなかイメージできにくいというのもあると思うのですけど。
それにしたって,社会に出て仕事している自分の姿もなかなか想像できないのに,「社会に出るために今しっかり勉強しましょう」なんて言われても,テンションがあがるわけもなければ,動機づけが長く保たれるはずもありませんよね。
ちゃんと生活を自立させるためにはお金が必要,お金を稼ぐためにははたらくことが必要。はたらくことにはいろんな方法があって,そのなかからひとそれぞれ自分にあった方法を選んで実行すればいい。
そんなあたりまえのことをあたりまえとして流さずに,きちんと一般常識としてこどもたちに身につけてもらえるように,小さいうちからこどもたちに伝えていかないといけないな,と思います。
こどもたちが,自分ががんばるための原動力=将来の夢を持てるように…。
診察室で私が会うことのできるこどもたちには限りがあるけれど,少しでもこの役割を果たせるように,日々意識して診察に臨もうと思います。
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