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アキバ危機! 大衆化で“電波系オタク”離れ加速か

「今は完全に観光地」

 東京・アキバでまた1つ、いや2つ、「昭和の電気街」の象徴が消えようとしている。先月30日、最古参のPC(パソコン)ショップ「ツクモ」が民事再生法を申請、3日には老舗の「石丸電気」PC館が、売り上げ不振で閉店に追い込まれた。オタク文化のメッカとして大衆化が進むアキバだが、一方で本家“電波系オタク”のアキバ離れも加速している。

 ここ数年、アキバの風景は激変した。再開発による見た目の変化は当然だが、古くから通うファンにとって、それ以上に急変しているのが、電気街の顔ともいえる老舗ショップや小規模パーツ店の消滅。相次いで民事再生、倒産、買収などの憂き目にあっているのだ。

 今回のツクモ、石丸以前にも、「ヤマギワソフト」は「ソフマップ」にとって代わり、「ロケット」は民事再生。「第一家庭電器」は破産。♪あなたの近所の秋葉原〜、の「サトームセン」も大手量販店のヤマダ電機に買収されてしまった。かつて「独立系」と呼ばれた老舗店は、軒並み壊滅している。

 また、再開発の余波で、「秋葉原デパート」も消滅。周辺に散っていた間口ほどの部品ショップも雪崩をうつように消滅し、かつてのディープさは完全に消えうせた。当然、一昔前にPCを自作していた電波系の“聖地”としての顔も、完全に失ってしまった。

 ここ数年のアキバの激変について、ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「今の秋葉原は完全に観光地。人はたくさんいても、高額商品を買う目的で訪れる人はほとんど存在しない」と話す。

 「PCメーカー直販とネット通販の台頭で、コスト的に不利な店頭販売は成り立たなくなりつつある。そのうえ、有名量販店に比べ規模が中途半端なアキバの老舗店は、極めて厳しいでしょう」

 では、かつての“電波系”たちは、もうアキバに足を踏み入れないのか。井上氏は「それでも彼らは、ここぞという時には、必ずアキバに顔を出している」と話す。

 2005年に進出した「ヨドバシカメラ」は、各PCメーカーが最も顧客の動向を気にする旗艦店となっている。新商品発売時は各メーカーの開発担当者がこぞって売り場に現れる。幹部クラスが視察に来ることもあり、コアな情報が聞ける絶好のチャンスとなっている。

 専門誌に出ないような裏話も聞ける情報集積地としての価値は、まだまだ残っているという。とはいえ、アニメ系に勢力を奪われたアキバで、“先住民”の復権は簡単ではなさそうだ。

ZAKZAK 2008/11/04

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