平成20年10月31日(22時00分〜22時11分)
なし
Q:航空幕僚長の更迭の意向を固められたということですけれども、どのような理由なのでしょうか。
A:私とすれば、この航空幕僚長の論文に述べられている見解は先の大戦に関する評価について、不適切なものが含まれているという認識を持っておりますし、また航空幕僚長という立場で政府見解と明らかに異なる意見を公にするということは、航空幕僚長として相応しくないと、大変不適切であるというふうに考えているところであります。よって、この航空幕僚長という職に留まることは望ましくないというふうに考えておりますので、速やかに適切な対応を取りたいということであります。
Q:対応というのは。
A:それは、要職を解くということであります。
Q:ご本人にはそれを伝えたのでしょうか。
A:はい、それはお伝えをさせていただきました。
Q:本人は、まだ。
A:それは、これからの対応だということだと思います。
Q:現職の航空自衛隊のトップがこのような政府見解と違うことについて、歴史認識を示す、或いはこういう懸賞論文に応募するということにどのようにお考えでしょうか。
A:本来であれば、正式に我々も内容を確認しながらということがまず一つ課せられたことであり、応募することに対してそこはやはり、そういったものを正式な形でとっていただけていないということもありますので、それはちょっと不適切だというふうに思います。
Q:航空幕僚長はこれまでも何か、その不適切な発言をしてきたと思うのですけれども、「そんなの関係ねぇ」とかですね、そういう一連の発言についてはどのようにお考えでしょうか。
A:確かに、そういう話も聞いておりますが、特に今回の場合は、我々政府の見解とは違うということが極めて明白ということでありますので、その点については過去の発言等は別にして、今回の件に関しては極めて不適切であるというふうに私自身は思っております。
Q:個人的見解を色々持っていると思うのですけれども、こうやって公表してしまうということについて、あまりにも簡単に考えているなと、自分の役職を余りにもわきまえていないのではないかと思うのですけれども。
A:確かにそういうこともあって、今回要職を解くということを我々も考えたわけですから、その点はおっしゃるとおりかもしれません。
Q:今、給油法案を審議していますけれども、国会への影響はどのようにお考えでしょうか。
A:そこはまだ私が評価することではなくて、我々とすると「やることをしっかりとやる」ということしか今は言えません。
Q:この件について麻生総理大臣から何か指示はあったのでしょうか。
A:総理は、私に人事権があるわけですから、その点に関しては任せていただいているというふうに思っています。
Q:総理にはいつのタイミングで報告されたのですか。
A:詳しくは総理の会見の後ということになるのでしょうか。
Q:総理からは具体的にはどのような言葉があったのですか。
A:とにかく、「これは任せた」ということだと思います。そういうお話でした。
Q:大臣は論文をお読みになってどのようにお感じになりましたか。
A:それは皆様方がお感じになっていることと同じように、政府見解とはかなり異なったと言いますか、ご自分の考えを述べられて、それには極めて不適切な部分があったかなというのは実感として私自身も思いました。
Q:お読みになったのは当然今日ですか。
A:そうです。
Q:歴史認識についてのみならず、集団的自衛権の行使を禁じられていることについても不満を述べているのですが、これについては。
A:ですから、その部分も特に一番の職にあるものとして、やはりそこのところを公的な立場と言いますか、航空幕僚長という立場でいること自体が問題であるというのは、当然我々も認識を持っているわけであります。
Q:同様なことはこれまでも部内で語れることがあったらしいのですけれども、大臣ご自身は航空幕僚長とそういうお話をされたことはおありですか。
A:私は直接にはありません。
Q:間接的には聞いたことは。そういう意見を持っているということを聞いたことは。
A:記者会見とか色々な記者さんのところでも、さっきの話ではないですけれども、そういった発言があったのも聞いておりますし、そういった部分においては、発言はかなり思い切ったことを言う方だなというのは聞いておりました。
Q:航空幕僚長の後任については如何でしょうか。
A:これはまだ今それどころではなくて、我々とすれば今日そういう決断をしたわけですから、空白というのはあまり長くするのは良くないと思いますので、今後しっかりと考えたいというふうに思っています。
Q:かなり早い対応だと思うのですが、やはり国会等の影響があるのでしょうか。
A:やはり国会対応というよりも、確かにお考えはお考えとしてあるのかもしれませんが、やはり自分のお立場をしっかりお考えになって頂かないと、我々としてはこれは対応が出来ないということもありますし、皆さん方に対してもやはりそこはしっかりと我々の姿勢というものを示すことが極めて重要だと思いますので、そこは対応が早いとか遅いではなくて、我々とすれば問題の認識というのを示す意味でも、こういった形を取らして頂いたということだと思います。
Q:中国や韓国で外交問題みたいなことになる可能性もありますけれども、その辺は大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
A:これは確かに今申し上げたように、公私の立場というのを考えて発言というのがあるべきだと思っておりますので、少なからずああいう書き方をすれば、政府見解と違うということになれば、これはある程度そういったものに対する反応はあろうかと思いますが、我々とすればそういう姿勢を今回見せたということで、考え方を示せたのではないかと思います。
Q:辞職は何日付ということになるのでしょうか。
A:これはまだこれからの話でありますので、要職を解くところまでということにしたいと思います。
Q:航空幕僚長には、今回の件について大臣にどのようにお話をされたのでしょうか。謝罪等はあったのでしょうか。
A:そこは、お互いの話は差し控えさせて頂きたいとは思いますが、ご本人とすれば色々な思いがあって書かれた、普段から思っていることを書いたということだと思うので、「それは立場がちょっと問題なのではないですか。」という話はさせて頂きました。
Q:こういう結果になるということを覚悟して書かれたということなのでしょうか。
A:そこまでは分かりません。もしもそれが分かっていれば、また違った対応をされたのではないのかと思います。
Q:必ずしもご本人がこういう結果にいたるということは認識していらっしゃらなかったと。
A:それは、ご本人に聞いていただければと思います。私とすれば、目の前に起きた現象、論文というのは目の前にあって、ご本人がそれを書いたということ、発表したということに対して、私どもはそれに対応していることなので、その部分はご本人が意識されていたかどうかというのは、私が言うべきことではないのかなというふうに思います。
Q:ご本人にお伝えになったのは先程ですか。
A:そうです。
Q:大臣室で。
A:いや、外に居られたので電話でお話をさせていただきました。
Q:本人はもう「分かりました」と言っただけですか。
A:私としては、その中で「要職を解かさせていただきます」という話をさせていただきましたので、そのことを事務次官の方から話をさせていただきました。
Q:防衛省として論文が出ることを今日まで全く把握していなかったということでいいですか。
A:私の方では、文書というか論文自体を見ていないということなので、懸賞に応募したとかいうのに関しては、私自身は知らなかったわけであり、今日、「最優秀をとったので」というお話を聞いたというのも、私が居なかったときにお話をされたらしくて、そういう意味では私自身は全く知りませんでした。
Q:日米開戦の経緯で、東京裁判に触れられていますけれども、日米関係への影響というのはどのようにお考えですか。
A:そこは私自身で想像するところではまだよく情報が入ってきていませんので、今の時点でお答えはできないです。
Q:結果的にそういうことになってしまった行動については大臣ご自身、軽率というふうにお考えですか。
A:軽率というよりも、ご本人は応募されてご自分の考えを書いたということでありますが、本来公私の立場というものをもう少し重く考えていただきたかったというふうに思います。