定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成19年8月23日(木)
午前10時00分 〜 午前11時45分
第2 出席者 溝手委員長、大森、佐藤、吉田、葛西、長谷川各委員
長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
首席監察官、情報公開・個人情報保護室長
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)人事案件について
官房長から、「9月3日付け、内閣承認人事2名の人事異動について内閣に承認を依頼していただきたい」旨、「9月3日付けを始めとする地方警務官70名の人事異動について発令していただきたい」旨、それぞれ説明がなされ、原案どおり決定した。
(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。
2 報告事項
(1)警察庁長官に対する開示請求の状況等について(行政機関情報公開法関係)
情報公開・個人情報保護室長から、8月17日までの間に警察庁長官に対してなされた行政機関情報公開法関係の開示請求の状況及び開示請求に対する決定の状況について報告がなされた。
(2)平成20年度警察庁予算概算要求・要望の概要について
官房長から、平成20年度警察庁予算概算要求・要望の概要について報告がなされた。
(3)平成19年度人事院勧告について
官房長から、平成19年度人事院勧告の主な内容について報告がなされた。
(4)監察の取扱い事案について
首席監察官から、「北海道警察における会計経理をめぐる事案に関し、他省庁に出向していた元北海道警察本部刑事部捜査第二課長が、警察庁に復職したことから、8月13日付けで、警察庁長官訓戒の措置とした」旨及び「奈良県警察の巡査部長が、卑わいな行為をしたとして7月25日に通常逮捕され、飲酒運転で追送致された事案に関し、同県警察は、8月17日、同巡査部長を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司を本部長注意の措置とした」旨の報告がなされた。
(5)平成19年上半期における主な生活経済事犯の検挙状況について
生活安全局長から、平成19年上半期は、廃棄物事犯が、検挙事件数・人員とも増加したこと等について報告がなされた。また、映画の盗撮の防止に関する法律の施行について説明がなされた。
(6)平成19年上半期のサイバー犯罪の検挙状況等について
生活安全局長から、平成19年上半期のサイバー犯罪の検挙件数は、1,808件で、前年同期とほぼ同数であったこと、相談受理件数は、前年同期に比べ8.2%増加したこと等について報告がなされた。
(7)警視庁地域警察官によるけん銃使用の無理心中容疑事案の発生について
生活安全局長から、警視庁立川警察署地域課員によるけん銃使用の無理心中容疑事案について、事案概要等の報告がなされた。
(8)那覇空港における航空機炎上事故について
刑事局長から、「那覇空港においてチャイナエアラインの航空機が炎上損壊した事故については、沖縄県警察が所要の捜査を実施中である」旨の報告がなされた。
(9)住吉会からの審査請求の受理について
刑事局長から、「東京都公安委員会が指定暴力団として指定した住吉会から審査請求書の提出を受けた」旨の報告がなされた。
(10)道仁会と九州誠道会との対立激化に伴う緊急対策について
刑事局長から、「道仁会会長射殺事件が発生し、また、九州誠道会傘下組織幹部に対する殺人未遂事件が発生していることから、徹底した捜査を実施するとともに、警戒を徹底し、犯人検挙及び違法事案の未然防止を図る」旨の報告がなされた。
(11)国有地等の一般競争入札等からの暴力団排除の推進について
刑事局長から、「財務省が行う国有地等の売払いの際の一般競争入札等において、暴力団の介入を阻止し入札の公正を確保するとともに、暴力団事務所等への利用を防ぐため、警察庁と財務省は、入札参加資格から暴力団を排除する仕組みについて合意に達し、本年9月1日以降に公示される入札から運用を開始する予定である」旨の報告がなされた。
(12)脱北者男性所持に係る覚せい剤の薬物微量成分分析結果等について
刑事局長から、「平成19年6月2日、青森県深浦港付近にて発見された北朝鮮からの脱北者男性が所持していた覚せい剤は、極めて純度が高いことが判明し、また、過去の北朝鮮関連事件の押収覚せい剤と成分が類似しており、何らかの関連性が認められた」旨の報告がなされた。
(13)カナダルートによる大量覚せい剤等密輸入事件の検挙について
刑事局長から、「大阪府警察及び大阪税関は、外国船貨物を利用した規制薬物密輸入事件で、被疑者4人を逮捕するとともに、覚せい剤約155s等を押収した」旨の報告がなされた。
(14)日教組「第95回定期大会」をめぐる動向と警察措置について
警備局長から、「8月27日から29日までの間、東京都千代田区内において開催される日教組(日本教職員組合)の定期大会に対して、右翼が日教組批判の街頭宣伝活動等に取り組むものとみられることから、警視庁で警戒警備を実施する」旨の報告がなされた。
(15)天皇皇后両陛下の「第11回IAAF世界陸上競技選手権大阪大会」御臨席等(大阪府)に伴う警衛警備について
警備局長から、「天皇皇后両陛下は、8月25日から27日までの間、『世界陸上競技選手権大阪大会』御臨席等のため、大阪府に行幸啓になる。本行幸啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。
(16)皇太子同妃両殿下の「第19回全国農業青年交換大会」御臨席(東京都)に伴う警衛警備について
警備局長から、「皇太子同妃両殿下は、8月28日、『全国農業青年交換大会』御臨席等のため、東京都渋谷区内に行啓になる。本行啓に関し、警視庁で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。
(17)平成19年度警察庁総合防災訓練について
警備局長から、「警察庁及び都道府県警察では、9月1日の「防災の日」を中心とした「防災週間」(8月30日〜9月5日)に、関係機関連携の下、総合防災訓練を実施する」旨の報告がなされた。
(18)平成19年上半期におけるインターネット治安情勢について
情報通信局長から、インターネットに接続されている全国の警察の観測拠点に対する平成19年上半期のサイバー攻撃等の検知状況及びその主な特徴等について報告がなされた。
3 その他
(1)交通局長から、自動車安全運転センターの評議員の任命に係る認可につき、長官が専決処理した旨の報告がなされた。
(2)吉田委員より、北海道電力泊発電所において連続的に発生した火災事案について質問し、刑事局長から、所要の態勢により捜査を行っている旨、説明があり、さらに吉田委員より、原発に係る事案や国家主権に関わるような事案などについては、溝手委員長が記者会見で指摘したようにFBI的な国の警察機関の関与が検討されてよいのではないか、と発言した。
(3)大森委員より、栃木県宇都宮中央警察の面会室において被疑者が弁護士との接見後に自殺した事案に関し、同種事犯の再発防止について「秘密交通権と留置管理のバランスの問題であり、接見した弁護士にも何らかの協力を求めてもよいのではないか。この点、知人の弁護士と話したが、肯定的な反応があった。警察部内で通達を発出するほかにも、日弁連等と話し合ってみてはどうか」と発言し、長官から、「ご示唆をいただいたので、日弁連と相談できるか、検討してみたい」旨、官房長から、「人間はミスをするものであるから、施設改善など二重三重にチェックできるシステムが必要である」旨、説明があった。