2008年11月3日 19時5分更新
医療事故の遺族や医師らが再発防止策について話し合うシンポジウムが3日奈良市で開かれ、医師の無罪が確定した福島県立病院での帝王切開手術で娘を亡くした父親が「何があったか真実を知りたい」と訴えました。
会場の奈良女子大学の会議室にはおよそ60人が集まり、医療事故の遺族や医師らが意見を交わしました。
このうち、
渡辺好男さんは福島県立病院で行われた帝王切開手術で娘を亡くし、担当の医師が業務上過失致死の罪などに問われましたが、無罪が確定しています。
渡辺さんは、「難しいお産だと言うことを十分に説明されないまま手術が行われ、その後も納得のいく説明は病院からなかった。未だに何があったか真実を知りたいと思い続けている」と訴えました。
また、出産中に脳内出血を起こし19の病院に受け入れを断られた末に亡くなった五條市の女性の義父は「行政や医師、医療事故の被害者が同じテーブルについて情報を共有し、再発防止策を話し合う場をつくってほしい」と涙ぐみながら訴えました。
また、産婦人科の医師は、東京で妊娠中の女性が複数の病院から受け入れを断られた後、死亡した問題について触れて、「系列の異なる病院どうしや違う科の医者どうしでは患者の容態に関する情報の伝達や連携が十分でないことが多いので改善が必要だ」と指摘しました。