大阪地検特捜部が4日に詐欺容疑で逮捕する方針の小室哲哉プロデューサー(49)。芸能界の頂点を極めた男が、自身の栄光を生み出した「楽曲著作権」を“ネタ”にしてまで転落してしまった。2000万円でファーストクラスを借り切った男が借金まみれの果てに、自らの才能まで売り払ってしまったかのよう。おごれる者久しからず…。そのド派手な栄華と没落の軌跡とは?
★生い立ち
作曲など音楽的才能は幼いころから周囲の驚きの的で、神童と呼ばれた小室プロデューサー。音楽にのめり込んだが、父親からは猛反対。それでも中学時代に極秘にシンセサイザーを買い、電子音に夢中に。早稲田実業を経て早大に進学し、在学中から宇都宮隆(51)、木根尚登(51)らとバンドを組んで本格的に音楽活動を始め、後に3人でTM NETWORKを結成。人気バンドとなった。
★頂点へ
TMNの活動と同時に、渡辺美里(42)に提供した「My Revolution」が大ヒット。これが一躍ヒットメーカーへの道を作った。松田聖子(46)、小泉今日子(42)、中山美穂(38)、宮沢りえ(35)…。当時の名だたる人気アイドルから群がるように楽曲依頼が殺到。そしてTMNの活動を一時休止した平成6年以降は篠原涼子(35)、華原朋美(34)、trf、安室奈美恵(31)…。今度は新人を大スターに育て世に送り出す名プロデューサーへと一気にステップアップした。平成9年にはハリウッド映画「スピード2」のテーマ曲を担当し、世界進出を果たした。
★高額納税者
手掛けた曲が日本レコード大賞(TBS)を7〜10年まで4年連続で受賞。一時は年間のCD売上高が400億円を超え、8、9年度の高額納税者番付で連続全国4位となった。あるテレビ番組の試算で、過去20年間の番付を元に生涯収入ランキングを作成したところ、小室が約96億6000万円で芸能界断トツとなった。
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