＜クレーン殺人＞おいを殺人容疑で逮捕　愛知・一宮

　愛知県一宮市の金属加工業「仲孝工業所」で経営者の仲島孝治さん（５７）がワイヤを首に巻かれクレーンにつるされて殺害された事件で、県警一宮署捜査本部は４日未明、仲島さんのおいの会社役員、仲島弘将容疑者（３２）＝同市大赤見＝を殺人容疑で逮捕した。

　調べでは、おいは９月１日夜、同市大赤見の仲島さんが経営する工場で、仲島さんの頭を工具で殴るなどしたうえ、首にワイヤを巻いてクレーンでつるして殺害した疑いが持たれている。仲島さんは首を絞められたことによる窒息死とみられる。

　おいは仲島さんの兄の長男。仲島さんの知人らによると、おいの家族は仲島さんの工場の隣で別の会社を経営していたが、経営が悪化。仲島さん一家とは以前金銭面でトラブルを抱えたことがあり、最近は疎遠で交流も無かったという。

　捜査本部もこうした情報を把握しており、おいが仲島さんに何らかの恨みを抱いていたとみて、３日に任意同行して事情を聴いていた。

　これまでの捜査で、事件直後に仲島さんの長男（１９）の携帯電話に犯人と思われる男から「工場に来い」「次はお前の番だ」などと執拗（しつよう）に電話があった。また容疑者は専門的な知識が必要な工場のクレーンを操作していた。このため捜査本部は、内部事情に詳しく仲島さん親子に強い恨みを持つ人物とみて捜査していた。【飯田和樹】