来日中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は3日、都内の日本外国特派員協会で記者会見し「中国政府と対話を重ねてきたが、チベットの状況は改善していない。人々に意見を聞く以外に選択肢はない」と語り、インド北部ダラムサラで17日から開く亡命チベット人代表による特別会議で、中国との対話継続の是非を含め今後の方針を協議する考えを示した。
ダライ・ラマ側はチベットの自治権拡大を求めて中国政府と対話を続けてきたが「我々の進め方では物事が順調に進まず、チベット人の間で批判が高まっている」と指摘。これまでの対話路線について「失敗を認めないといけない」と述べた。その上で自身を「中立的な立場」とし、特別会議に方向性の決定を委ねる考えを示した。
チベットの現状については「ある種の文化的ジェノサイド(大量虐殺)とでもいうべきことが行われている。私の中国政府に対する信用は薄らいでいる」と改めて強い不満を表明した。(03日 18:02)