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犯罪被害者白書 必要な市町村の体制整備

 内閣府は、犯罪被害者に対する施策の進ちょく状況などをまとめた「二〇〇八年版犯罪被害者白書」をまとめた。〇五年に施行された犯罪被害者基本法に基づくもので、今回が三回目となる。被害者にとって最も身近な自治体である市町村の施策が遅れているとして、市町村自らが被害者支援への理解を深めるとともに、都道府県に積極的な取り組みを促している。

 犯罪被害者に対する施策について、内閣府は〇七年度、初めて全自治体を対象に調査を行った。それによると、担当する部局が確定しているのは都道府県と政令指定都市ではすべてだったが、その他の市区町村では51・9%にとどまっていた。

 犯罪被害者からの相談・問い合わせに対応する窓口の設置状況では、設置済みもしくは設置予定は都道府県78・7%、政令市47%、その他市区町村19・1%。さらに犯罪被害者施策に関する条例・規定について、策定済みもしくは策定を予定しているのは都道府県40・4%、政令市11・8%、その他市区町村4・7%だった。白書は「市区町村は全体的に理解・認識が十分でなく、取り組みが低調である」と指摘した。

 犯罪被害者基本法では、地方自治体が相談・情報提供や福祉サービス、地域住民の理解の促進など総合的に推進することを求めている。被害者には経済面から精神・身体面まで幅広い対策が不可欠だ。担当部局が確定していなかったり、相談窓口がないようでは、被害者対策への意識が低いと言われてもやむを得まい。

 白書では、まず担当部局を確定し、そこが中心になって被害者対策への理解を深めることが必要としている。都道府県には市町村の取り組みを促すため、研修や連絡会議などを通じた情報提供を提案している。

 民間団体の活動も欠かせない。白書も重要性を指摘しており、犯罪被害者のさまざまなニーズにきめ細かで迅速な対応が期待できるとする。ただ、財政難や人材不足を訴える声もあるという。行政が支援しながら連携を図り、被害者対策の質を高めていくようにしたい。

 犯罪被害者への対策としては七月から給付金の引き上げが行われた。十二月からは刑事裁判で被害者が被告人に対する質問、意見陳述ができる「被害者参加制度」が施行される。基本法によって制度は次々に整備されているが、被害者への理解は広がっているだろうか。地域住民への啓発を促進するためにも、自治体が被害者への支援体制を整えることが必要だ。


最高裁長官人事 裁判員制度の導入万全に

 政府は、今月二十一日に定年退官する島田仁郎最高裁長官の後任に、竹崎博允東京高裁長官を指名することを決めた。最高裁判事を経ずに長官に就くのは四十八年ぶりのことで、十四人いる判事を一挙に追い越すという異例の人事である。

 竹崎氏は岡山市出身で、東大卒業後、判事補になり、主に刑事裁判を東京地裁などで担当した。司法行政の経験も長く、最高裁総務局第一課長や東京高裁事務局長を歴任し、さらに最高裁の経理局長や事務次長、事務総長として「裁判員制度」の導入に向けた準備作業の陣頭指揮に当たってきた。

 重大な刑事事件の裁判に国民も裁判員として参加し、裁判官とともに審理する裁判員制度は来年五月にスタートする。戦後最大級といわれる大改革である。今回の長官人事に当たって、最高裁が裁判員制度の導入をにらんだことは間違いない。竹崎氏のこれまでの実績と手腕が高く買われたといえよう。

 裁判員制度について、最高裁が実施した今年初めの意識調査では、「参加したい」などの“積極派”は11%だった。「義務なら参加せざるを得ない」という“消極派”が45%、「義務でも参加したくない」は38%と、依然として抵抗感が強いことを示している。

 今月末からは裁判員候補者名簿に載った全国約二十九万五千人への名簿記載通知書や辞退理由の有無などを尋ねる調査票などの発送が始まる。本格的な作業がスタートすれば多くの問題点が浮上する可能性がある。制度が動き始めてから定着するまでに時間もかかるだろう。

 裁判員制度について、あらためて周知徹底に努め、国民の不安解消にいっそうの努力が必要だ。新長官が先頭に立ち、導入に万全を期してもらいたい。

(2008年11月3日掲載)
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